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Aと出会ったのは他でもないこの街だった。
嘘をついてると息が止まりそうになる人だから
Aは、たまに街の外に出ては、
嘘を止めて、ゆっくり呼吸をしていた。
その時のAは、メイクバッチリキラキラドレスの
完璧なキャバ嬢姿だったから
初めてメイクを落としたスッピンを見た時は
正直、誰だか分かんなかった。
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強がる美しい女が
ただの弱い女の子にしか見えなかった。
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今日は、大学の先輩に連れられて
Aの店に来ることになった。
全部先輩の奢り。
金遣いの荒い先輩は、勿論ナンバーワンを指名して・・・
貴「・・・あれ、誠也?」
ナンバーワンの称号がよく似合う
気高く映しい、薔薇のようなAが、俺らの前に現れる。
Aは俺の名前を呼ぶと
営業スマイルの仮面を、一瞬剥がしかけ
俺の隣の男性を見ると
その一瞬も忘れるほどの、美しい仮面をつける。
「あれ?お前ら知り合いなん?」
貴「はい、前にも来てくださって。」
「へーしかも下の名前呼びやん。」
貴「じゃあ、お客さんの下の名前も教えてくれます?」
「じゃあ、俺もAって呼び捨てで呼んでいい?」
貴「わっ。呼び捨てで呼ばれるなんてめったにないから、ドキドキしちゃったじゃないですか。」
よく考えれば、仕事をしてるAをみるのは初めて。
確かに
・・・・・息をするように、嘘をついてる。
俺も騙されそうになるくらい、自然な嘘やった。
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貴「まさか、本当に来てくれるなんて。」
先輩は、もう一人来た守ってあげたくなる系の女の子の方がタイプやったらしく
そっちの女の子にゾッコンになっていて
Aは、少し崩した笑顔で、俺に話しかけてくる。
末「俺は払わへんけどな。」
貴「何で誠也ってそんなに人に好かれるんだろう。」
末「ゴマすりや。」
貴「ホストなったら?」
2個先のホスト、ちょうど同じオーナーがやってる店だよ、なんて
ニヤニヤ笑う。
また、仮面がはがれてく。
末「ならへんわ。」
「ほんま2人仲ええなー。」
他人が入ってきた瞬間、もう1度装備される仮面。
俺にだけ、見せる表情や。
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こまち(プロフ) - リクエスト失礼します。以前の短編集でもお書きになられていた重岡先生のお話をまた書いていただけると嬉しいです! (2017年6月25日 16時) (レス) id: 68475f9189 (このIDを非表示/違反報告)
けむ - えがお0.5 読ませていただきました!この康二くんが大好きです。2人には幸せになってもらいたいなぁ、なんて想像しちゃいます。ありがとうございました! (2017年6月15日 23時) (レス) id: a328cfacef (このIDを非表示/違反報告)
けむ - ありがとうございます、楽しみにしてます! (2017年6月6日 23時) (レス) id: a328cfacef (このIDを非表示/違反報告)
けむ - またまたコメント失礼します。リクエスト、というより質問なのですが、以前短編集で康二くんの「えがお」「えがお2」を読ませていただきましたが、このお話の続編を書く予定はありますか?その後の2人がどうなったのか気になります。 (2017年5月18日 12時) (レス) id: a328cfacef (このIDを非表示/違反報告)
日向明音*ハピブル*夜桜智恵理親衛隊長(プロフ) - 可愛いです!!めっちゃ!!!! (2017年4月16日 13時) (レス) id: 1302fb89b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜翔 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/drss1/
作成日時:2016年11月13日 21時