屑籠 Ｓｅｉｙａ．Ｓ ページ38
.
普段俺たちが空を見上げて
「綺麗だね」って言ってる星は
本当は、ただ燃えて光を発してる宇宙のゴミ。
バケツいっぱいの星をひっくり返したみたいなキラキラ光るこの街で
星屑になれなかった、クズのお話。
.
.
光るもの、と聞かれると
俺はこの街の、チカチカしたネオンを１番初めに想像する。
貴「誠也。おまたせ。」
その次に、その中から出てくる
バッチリメイクと私服がアンバランスなAを思い出す。
貴「お腹すいたー！」
末「どこ行く？」
貴「ファミレスとかでいいよ。とりあえずこの辺から出たい。」
長い間、この街の住民であるAは
いまだにこの街を嫌っている。
.
結局ファミレスに行って
どうせ深夜で人も少ないからと、長居する気満々で
それぞれ料理とドリンクバーを頼む。
俺もAも、家にあまり帰りたくない。
貴「はい、Aスペシャル。」
末「あー学生の時にやってたわそれー・・・」
貴「上手いやろ。」
ドリンクバーで、ジュースが４層になったえげついドリンクを作って笑う姿は
年相応どころか、少し幼くも見えるのに。
末「新しいネックレス。」
貴「そう。お客さんがくれたの。つけろって言われてつけて外すの忘れてた。どうりで肩が凝るわけだ。」
そんな事を言って、肩を揉む姿は
からかって、「ババアかよ」と言うことは出来るけど
Aは、自分の歳の事を言われると
普段からかった時には、怒って叩いたりするくせに
らしくもなく泣きそうな顔するから
俺は黙り込む。
Aは一人で話し出す。
貴「私、今何歳やっけなー。」
.
貴「まあどうせ歳より更けてて、女として廃れてるんだろうけど。まあこんな仕事してる時点でか。」
俺がいないみたいに
一人でずっと自虐し、笑う。
.
.
貴「今日はありがとうね。」
Aは俺より先に立ち上がって
何も言わず伝票を取る。
末「俺の分・・・」
貴「いいよ。気になるなら店来てボトル開けてよ。」
末「何倍返しやねん。」
これがいつも。
呼び出したのは自分だから。
それの対価が夕食代らしい。
.
人間にも対価がある
それがAの根付けられた考え。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1630人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こまち(プロフ) - リクエスト失礼します。以前の短編集でもお書きになられていた重岡先生のお話をまた書いていただけると嬉しいです！ (2017年6月25日 16時) (
レス) id: 68475f9189 (このIDを非表示/違反報告)
けむ - えがお0.5 読ませていただきました！この康二くんが大好きです。2人には幸せになってもらいたいなぁ、なんて想像しちゃいます。ありがとうございました！ (2017年6月15日 23時) (レス) id: a328cfacef (このIDを非表示/違反報告)
けむ - ありがとうございます、楽しみにしてます！ (2017年6月6日 23時) (レス) id: a328cfacef (このIDを非表示/違反報告)
けむ - またまたコメント失礼します。リクエスト、というより質問なのですが、以前短編集で康二くんの「えがお」「えがお2」を読ませていただきましたが、このお話の続編を書く予定はありますか？その後の2人がどうなったのか気になります。 (2017年5月18日 12時) (レス) id: a328cfacef (このIDを非表示/違反報告)
日向明音＊ハピブル＊夜桜智恵理親衛隊長(プロフ) - 可愛いです！！めっちゃ！！！！ (2017年4月16日 13時) (レス) id: 1302fb89b8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：桜翔
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/drss1/
作成日時：2016年11月13日 21時
