Fall in love 【短編集】 JW&KJ

曖昧　　　Ｎｏｚｏｍｕ．Ｋ ページ34

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望「俺のことどう思ってる？」

貴「えー？」

望「俺は、Aの事、特別な存在やと思ってるよ。」

貴「ああ・・・・うん。」

望「Aは？」



貴「あーうん。・・・けどさ。」









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彼女には何でも深く考える癖がある。


こう答えたら○○君が傷つく、でもこう答えたら××君が傷つく・・・みたいな。



その結果


ちっぽけな優しさで出た答えは、偽善者じみてる。









望「はっきり言えや。」









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彼女が俺に出した答えは


ぼんやりと曖昧な言葉でごまかすこと。





ノーと言ったら、当然俺は傷つく。


でも彼氏がいる手前イエスとは言えない。



イエスもノーもない、ごまかし。









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「おー望、おはよー。」

望「はよー・・・・Aも、おはよ。」

貴「あ・・・おはよう。」

望「今日の髪型、似合ってる。」




告白じみたことをした後、こんな風に諂ってみると








貴「あはは。ありがとー・・・」




そうやって


俺の言葉を都合よく解釈して


俺の気持ちに、素知らぬふりをする。









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腹立つ。



何で好きになったん？


どうせそのちっぽけな優しさが、昔はええように見えてとかそんなんやろ。





じゃあ、何で嫌いになれへんの？









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貴「・・・・望君！」


望「・・・・は？A？」





Aが、俺の方へ走ってくる。



横には彼氏はいなくて


代わりと言ってはなんやけど




Aは、何の曇りもない笑顔。









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貴「忘れ物！」

望「え・・・・ああ、ありがと。」

貴「これ、入学祝にお母さんに買ってもらったんやろ？大切なものやと思って走ってきたー。」

望「・・・よおそんな話覚えてんな。」




目を大きく開いて


ぽかん、と間抜けな顔をしたと思えば




にいって、目も口も、横長にして








貴「望君の事やもん。ちゃんと覚えてるよー。」




そうとだけ言って


じゃあね、と走って元来た道を帰っていく。









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ああ、分かった。









望「・・・・思わせぶり。」





そんな態度に


毎回好きになってるんや。






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完結しました！


超潔癖理系女子な彼女 すりー! Nozomu

スリープウェル　　　Ｒｙｕｓｅｉ．Ｏ→←存在肯定　　　Ｍａｔｏｒｉ．Ｈ

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