アネモネの熱 【赤】

２１．チャラい、イカつい、アホ ページ21

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誰や。


お兄ちゃん・・・なわけないやんな。


身長は似てるけどこの人の方が断然イケメンやし・・・








望「おい聞こえてんねん。」

貴「嘘。」

流「え、何が？」

貴「ほら聞こえてへんやん！」

望「顔で分かんねんわっかりやすい顔やから！俺の事貶しやがって！」

貴「うわまじで分かってるう・・・」





気持ちわりー、なんて言ったると


おい、ってべしっと頭を叩かれる。




頭を押さえると、「ははははっ！！」って大爆笑の声が降ってきて。









貴「あ、すいません・・・」

流「ええのええの。藤井流星です。」

貴「早川Aです。」




名乗られたから、自分も名乗り返すと


流星さんは、１度、私の名前を復唱して


「早川ちゃんはさ、」と早速あだ名をつけて言う。









流「望の・・・」

貴「彼女ちゃいますからね。サッカー部のマネージャーです。」

流「何や、望残念やな。」

望「はあ！？意味わからへん！あー早川、こいつは地元のサッカークラブで一緒やってん。」

流「ちなみにここのサッカー部のＯＢやで。」



いえい、とピースする。




・・・・・・・なんというか


小瀧と仲いいの、分かる気がした。








金髪とか。すっごい似合ってるけど。


高校の文化祭に着てくるとは思わないレザーとか。


ジャラジャラでごっついアクセとか。


早川「ちゃん」とか。





何と言うか


全体的に、チャラい。









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小瀧が、腕を机に置いて


流星さんに近づくように、少し前のめりになった。


親指でくいっと流星さんを指すと





望「見た目いかつくてチャラいけど、中身ただのアホやから。」

流「見た目は１００歩譲って認めるけど！まあ、アホも１００歩譲って認めるけど・・・」

望「な？アホやろ？」





小瀧はそう言って


少し振り返って私に笑った。








・・・・・もしかして


流星さんに、少し引いてたのに


気付いて、間に入るようにしてくれたんやろか。

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