Full of love 【短編集】 ＪＷ＆ＫＪ

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淳「いや〜今年も綺麗に咲きましたね。」


貴「そうですね。」






ここ、西幼稚園は毎年、大輪のチューリップが咲く。






なのでそれを園児達にあげている。






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貴「今年は特に綺麗に咲きましたね。あ、中間先生にもプレゼントしましょうか。


　 何色がいいですかね。イメージカラーの黄色とか上品な白とかでしょうか？」


淳「あ、駄目。」


貴「え・・・？」






あ、私がプレゼントなんて差し出がましかったかな・・・






それとも彼女いたから花なんて貰ったら困るのかな・・・






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淳「・・・だって両方共失恋系の花言葉じゃないですか。」


貴「え？」


淳「黄色は『実らぬ恋』、白は『失恋』。A先生、僕に失恋してほしいんですか？」






・・・何だ、そう言う事か。






迷惑って事じゃないのか。






ホッとして「いえ、そう言う事では。」と返す。






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淳「やから、迷惑って事ではないですよ？」






優しく、でも少し悪戯っぽく笑いながらそう言った。






私の事を見透かすような顔。






確信犯だ、と思いつつ






ドキッとした事を隠すために話し続ける。






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貴「じゃ、じゃあ何色なら大丈夫ですか？」






あきらかに私が動揺してる態度なのが面白いのか






クスクス笑いながらも教えてくれた。






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淳「やっぱ子供には人気ないですね。紫は『不滅の愛』、斑入りやと『美しい目』


　 ピンクは『真実の愛』、赤は『愛の告白』。」


貴「幼稚園に植えるような可愛い花やのに花言葉はマセてるんですね。」






そう思いながら感心していると






中間先生が赤いチューリップを２本取って






私の方に来るのかな、と思ったら






ピンクのチューリップを２本持っている女の子のもとに近づいた。






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淳「ねえ、愛ちゃん。この赤とそのピンク、交換しない？」


愛「えー、１本でいいんだよね？なら淳太先生にならええよ。」


淳「ありがとう。」







そう言って、赤１本とピンク１本を交換して






私のもとに帰ってきた。

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