Dr.スノスト01

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田中side

俺宛にかかってきた電話は担当患者さんの女の子、Aちゃんが通う小学校からだった。

Aちゃんは場面緘黙症を持っているので、てっきりそのことだと思ったらどうやら熱が出た、と。


場面緘黙症の子は外では自分の症状を言い出せないことが多い。Aちゃんも俺に慣れるまで、１年はかかったし、今も調子が悪い日は目が合いずらいこともある。


田中『よし、ここ座ろうか、……あ、寝っ転がったほうが楽かな、』

ふらっとふらついたので、これは相当しんどいのかもと思い、寝転ぶよう促すと素直にベッドへ向かっていく。やっぱり、しんどいな。


田中『Aちゃん、もしもしするけど怖くないからね、……ごめんね、ちょっとボタン開けさせてね、』



それにしても、さっきの先生はよく気づいたなあ。なかなか、自分で申告しないと発熱だけじゃ気がつかない。


田中『Aちゃん、学校の先生優しそうだね、よかったなあ、』

聴診がなるべく緊張しないように、声をかける。


田中『喉もちょっと見せてな、あーんできるかなあ、……』


小さく頑張ってあげてくれた口に舌圧子を忍び込ませて、

田中『よーし、よくがんばりました。……んー、Aちゃん、頑張って水分取れるかなぁ、……』


松村先生、に聞いてみようか、


田中『松村先生、Aちゃんの水筒とかってあります？』

松村『あ、これです。』

田中『飲んでくれますかね、』

松村『んー、……頑張れるかなぁ、』


松村先生とAちゃんに水分を飲むよう促す。

松村先生は慣れているのか、ストローを使ってAちゃんに水分を飲ませようとする。

松村『飲めそう？、……ちょっとしんどい？、しんどいか、そうかそうか、』

田中『しんどいね、じゃあ点滴しような、』

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