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『今日、飯行かへん？』
『ごめん、残業で遅くなるから無理そう！
また今度！』
ハァ……
残業を理由に忠義のお誘いを断るのもこれで3回目だ。
無論、残業は実際にしていて、ここ最近の帰宅時間は夜の9時頃になっている。
当たり前と言えば当たり前の話だ。
元々、要領の悪いあたしがこれまで残業をしてこなかったのは、紛れもなく、忠義からいつお誘いが来ても承諾できるように豪速球で仕事を片付けていたからなのだ。
それを、忠義の誘いを断るために仕事をこなすスピードを落とせば、要領の悪さも相まって、必然的にフロアに人がほとんどいなくなるまで残業をすることになる。
忠義に会えば、あたしの告白が話題に昇るのは不可避で、むしろ忠義があたしをご飯に誘うのはきっとその話がしたいからで、
あたしはそれが怖くて、忠義の誘いを断る口実として残業をするようになった。
そうなれば当然、寝不足で身体に負担がかかるわけで…
「うわっ、肌荒れやば……」
疲れ切った身体で帰宅して、何ともやつれ気味な顔が洗面所の鏡に映る。
これでは忠義に顔向けできないぞ。
疲れていたって、スキンケアは怠らないようにしないと。
、、何で忠義基準なんだ、自分。オイ。
本音は、会いたい。
普通に会って、ちゃんと告白の返事を受け取って、何事もなかったようにすればいい。
あたしさえ我慢すれば、これまでと何ら変わりない関係が続けられる。
でも、まだ、怖いのだ。
あれだ、大学の一次試験が終わった後の自己採点が死ぬほど憂鬱だった、あの感覚。
一次試験が終わった直後の、出願先を決めるために大事な、自己採点。
答えが悉く間違っていたらどうしよう、望まない選択をしていたらどうしよう、と怖くなるあの瞬間。
忠義の答えなど、分かっているのに、
まだ、答えを知る覚悟が出来ない。
ちゃんと答えを聞いたとしたら、ちゃんと、これからどうしていくかを決めることはできるのだろうか…？
できない、気がする。
あたしはきっとどうしたって忠義が好きで、
振られたって好きで、
諦めろ、まだ好き、叶わない、近付きたい
その葛藤に苦しむのは目に見えているのだから。
遅くまで残業をしていれば、忠義に会わない理由が出来るし、余計なことも考えなくて済むから。
あたしは残業という武器を以て現実から逃避していた。
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渡璃凛(プロフ) - 雨さん» 細かいところは私のこだわりというかスタイルなので気にしないで頂きたいです。イモるというのは物怖じするとかビビるという意味です。続編は今のところ考えていませんがまたいつか機会があれば書かせていただきます。 (2021年3月1日 13時) (
レス) id: ca2c84b988 (このIDを非表示/違反報告)
雨 - 何度も続けてのコメントですみません。 続きがあるなら39からとかでも良かったのでは？と 思ってしまって｡｡｡ 何かすみません(>_<) (2021年3月1日 1時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
雨 - またまた続けてのコメントですみません...。 最後に一つだけ気になったことがあるのですが｡｡｡ 物語38の後にお礼とお知らせ■作者よりの後も物語は 続きますが...。 何故そこでは物語の各題名に数字とか何も無く・だけ なんでしょうか？ (2021年3月1日 1時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
雨 - また続けてのコメントですみません｡｡｡ 物語読みました。 物語は完結してしまいましたが...。 その後の2人が気になります。 (2021年3月1日 1時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
雨 - 続けてのコメントですみません(>_<) 物語読んでいて一つお聞きしたいことがあるのですが...。 ・ページ47のここの部分 自分で探そうにもいざ会ったら絶対イモるやろうから〜 この絶対イモるやろうから〜のイモるとはどういう意味なんでしょうか？ (2021年3月1日 0時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：渡璃凛 | 作成日時：2020年10月8日 17時
