133話 「聞きたくなかった」 ページ4
あの時が１番楽しかった
ずっとこのままでいられたら…
と、始めて思えた時間だった
｢ゴーン、どこー？｣
森の中をひとりで歩く
いつもならゴンと一緒なのだが
今日は朝、起きたらもうゴンの姿はなかった
ガサッ
｢ばあっ！｣
｢うわわわっ！！｣
草むらからゴンご急に出てきた
あんまりにも驚いたもので、尻もちまでついてしまった
｢だいせいこーう！｣
そう言ってぴょんぴょん跳ね回る
どうやら私を驚かすために、わざわざ早起きまでしたらしい
その喜びように、少しムッとしてしまった
｢ゴンのバカ…｣
怒ってそっぽを向くと、ゴンが慌てて駆け寄ってくる
｢そんなに怒んないでよー…
ほらっ｣
拗ねている私の頭にゴンが何かを乗せた
何かと思ってとってみると、
少し不恰好なコスモスの花冠が私の手の中にあった
黄色い小さな花達が可愛らしく並んでいる
｢Aみたいに上手には作れないけど…Aがよく、花冠作ってたから！｣
ニカッと笑って私の手からとって、また頭に乗せる
｢わかってやってるんだか、わからずにやってるんだか…｣
頬を赤らめてそう呟く
黄色いコスモスの花言葉の中に
幼い恋心
というものがある
(ゴンのことだから、何も考えずに採ってきたんだろうなあ…)
無意識なのかもしれないけど、ゴンはいつもそうやって思わせぶりなことばかりを私にする
それがちょっと嬉しくて、ちょっと悲しかった
でも私のためにこれを作ってくれたことには変わりないのだ
そこは素直に、嬉しくてたまらない
｢ありがとうっ！｣
じっと私を見ているゴンに抱きつく
｢えっ、あ…うん！｣
ゴンの反応が少し遅れたことに疑問を持ちながら、
その一瞬の幸せを噛み締めていた
＊＊＊＊＊＊
その日の夜
聞いてしまった、あの言葉を
あの時あの場にいなければ
何も変わらなかったのに
｢ゴンはAのこと好き？｣
ミトさんがゴンにそんな質問をしていた
｢うん！｣
もちろんゴンはそう答えてくれた
でももうひと言、私の聞きたくないような言葉が聞こえてしまった
｢妹みたいで可愛いよ！｣
ガタッ
｢…A？｣
その時私は走り出していた
持っていた花冠を落として。
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h16ayakaアヤッカー(プロフ) - この小説が私の第一のお気にいり作品です！私は最初キルア落ちの小説を書いていたのですが、この作品を読んでから無意識にゴン落ちへと動いていってしまう！私はとても白光が大好きです!出来れば続きを読みたいし、ゴンの行動でムフフフしたい!なので更新待ってます！ (2019年8月16日 23時) (
レス) id: a6a42def20 (このIDを非表示/違反報告)
ロスト(プロフ) - りんりんさん» 面白いと言ってくださる方がいて、嬉しいし申し訳ないのでもうちょい踏ん張ってみようと思います。御拝読、ありがとうございます (2018年1月10日 21時) (レス) id: e2f2589e1f (このIDを非表示/違反報告)
りんりん - 白光と暗闇面白いです。ゴンの夢小説は少ないので、この作品があって嬉しいです。なので、出来れば消さないで欲しいし、ずっと続けてほしいです。無理しない程度に頑張って下さい！ (2018年1月10日 19時) (レス) id: 3affdfaf3c (このIDを非表示/違反報告)
ロスト(プロフ) - まるさん» 好きと言っていただけて嬉しいです。冬休みとかに復活するかもしれませんので、あまり期待はできませんがお待ちください。 (2017年10月31日 21時) (レス) id: e2f2589e1f (このIDを非表示/違反報告)
ロスト(プロフ) - Riihuさん» ｢びゃくこうとくろやみ｣です。白光がわかりにくいてすよね(￣▽￣;)。読んでくださってありがとうございます。 (2017年10月31日 21時) (レス) id: e2f2589e1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天然君大好き人間 | 作成日時：2017年6月4日 12時
