131話 「昼は昼、今は今」 ページ2
｢これ…どういう状況…？｣
困惑した表情で私とヒソカを見比べる
そりゃあそうだろうな
起きたら部屋にいなかったはずのヒソカが不法侵入して、私を俵担ぎしているのだから
｢不法侵入した卑猥ピエロに私が拐われかけているっていう状況｣
わかりやすく、簡潔にまとめた
これで充分伝わるだろう、
重要なことは。
｢失礼しちゃうなあ♦
僕はちょっと君と話をしたいだけなのに♣｣
にんまり笑ってトランプを私の首にあてる
まるで
｢近づくと切るぞ｣
とでも言うように
当たり前だが、ゴンがそんなことを許すわけがない
私が迷惑がっているのは一目瞭然だ
｢A、顔の傷もヒソカ？｣
静かに、ただ静かに私に聞いた
｢そうだけど｣
私がそう言うと、
怒気に満ちた顔でヒソカを睨み付ける
｢Aを放せっ！｣
ドサッ
｢っつ…｣
何が起きたのかいまいちよくわからなかった
はっきりわかるのは、背中を思いきり打ち付けたということ
｢A！｣
すぐさまゴンが私に駆け寄り起き上がるのを手伝ってくれる
後頭部も打ったようで、頭がぐわんぐわんする
無防備な状態で頭をぶつけると、こんなにも弱るものらしい
｢その怒りを今度の試合で僕にぶつけるといい♠
受けてたつよ♥｣
パタン
｢A大丈夫！？｣
ゴンが力一杯抱きしめるけど、やめてほしい
まだ頭が痛い
｢Aごめん…｣
そんなに悲しそうな声を出さなくてもいいのに
別にゴンが悪いわけじゃない
悪いのは全面的にあの卑猥ピエロだ
私の体を離してじっと顔を見つめる
｢ごめんね…｣
頬の血をゴンの手が拭う
少し鉄の匂いがした
｢ヒソカは絶対に俺がぶっ飛ばすよ、Aの分も｣
私の肩に手を置いて怒りのこもった目でそう言った
私に誓いでもたてるかのように
｢ちょっと待ってね｣
そしてポケットから何かを取り出した
｢絆創膏。
傷痕残っちゃったら大変でしょ
後で薬草取りに行くよ
けっこうどこにでも生えてる草だから、近くに生えてると思うし｣
そう言って私の顔に絆創膏をはってくれる
もう血は止まったみたいだ
｢…ありがとう｣
目は合わせずにお礼を言った
やっぱり無器用だな、と思いながらも目線はそらし続ける
｢えへへ、どういたしまして｣
その時には、昼間のことなんてもう忘れていた
やっぱり私、こいつのことは嫌いじゃない
むしろ好意さえ覚えるような相手だ
なのに。
なんで
なんでまだ、こんなにも…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 37人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
h16ayakaアヤッカー(プロフ) - この小説が私の第一のお気にいり作品です！私は最初キルア落ちの小説を書いていたのですが、この作品を読んでから無意識にゴン落ちへと動いていってしまう！私はとても白光が大好きです!出来れば続きを読みたいし、ゴンの行動でムフフフしたい!なので更新待ってます！ (2019年8月16日 23時) (
レス) id: a6a42def20 (このIDを非表示/違反報告)
ロスト(プロフ) - りんりんさん» 面白いと言ってくださる方がいて、嬉しいし申し訳ないのでもうちょい踏ん張ってみようと思います。御拝読、ありがとうございます (2018年1月10日 21時) (レス) id: e2f2589e1f (このIDを非表示/違反報告)
りんりん - 白光と暗闇面白いです。ゴンの夢小説は少ないので、この作品があって嬉しいです。なので、出来れば消さないで欲しいし、ずっと続けてほしいです。無理しない程度に頑張って下さい！ (2018年1月10日 19時) (レス) id: 3affdfaf3c (このIDを非表示/違反報告)
ロスト(プロフ) - まるさん» 好きと言っていただけて嬉しいです。冬休みとかに復活するかもしれませんので、あまり期待はできませんがお待ちください。 (2017年10月31日 21時) (レス) id: e2f2589e1f (このIDを非表示/違反報告)
ロスト(プロフ) - Riihuさん» ｢びゃくこうとくろやみ｣です。白光がわかりにくいてすよね(￣▽￣;)。読んでくださってありがとうございます。 (2017年10月31日 21時) (レス) id: e2f2589e1f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：天然君大好き人間 | 作成日時：2017年6月4日 12時
