♪３４♪ ページ34
あまりピンと来なかったのか、つきちゃんは難しい顔をしたまましばし考え込んでいた。
そらそーか、とあたしが説明を加えてあげると、やがて面食らったかのような顔になった。
見開いた眼鏡の奥には、いつも見れないつきちゃんの女の子らしい表情が浮かび上がっていた。
「じ、冗談はやめてくんない！？ 」
「冗談もなにも、あたしは事実を述べたまでですよAお姉さん。信じたくないだろーけど、まっ認めちゃった方が楽だよー」
すっかりパニクっちゃったのかつきちゃんは手で口元を覆い、何かをぶつぶつと呟いていた。
あいつの事、ちゃんと好きなんだなって思う。すっかり茹で上がった耳の色があたしにそう教えてくれた。
あたしもつきちゃんの力になりたいな。
いっぱいつきちゃんに助けてもらってるのに、あたしが助けれたことないんだもん。こういう時くらい頼られたいや！
「ね、つきちゃん！ あたしも手伝うよ、絶対絶対つきちゃんの恋叶える！ 」
「え、でも」
「いいから！ あたしクラスメイトだしあの辺とのコネもあるからさ！ だから」
「ち、ちょっと待ってハッシー！ 私まだ……」
「もー、この期に及んで何言ってんの！ 恋はオフェンスあるのみだよ、いいからこの彩音さんに任せて！ 」
「だから！ 」
つきちゃんの声に、あたしは思わず口を噤んだ。ついでに、ちょっと後ろめたい感情も生まれる。
また喋りすぎた……かな？
「ハッシーお願い、私もよくわかってないの……これ以上勝手に人の気持ち掻き回すのやめて！ 」
「えっつきちゃん……何、勝手にって……あたしそんなつもりで言ったんじゃないよ？ 」
「じゃあどんなつもりで言った訳！？ 私はハッシーじゃない、勝手にそっちで話進めないでよ！ 」
かちん、と頭の隅で何かが固まる。そしてそれが瞬く間に熱を帯びて、真っ赤に腫れ上がった。
ついでに言うと、あたしは言い返されたら黙っていられない質だ。
「そっちも何ヒスっちゃってんの？ あたしは親切心でそう言っただけなんだけど！ 逆ギレしないでよ！ 」
「逆ギレはどっちよ！？ 押し付けがましくて人の感情ズカズカ入ってきて……そういう所私嫌いだよ！ 」
嫌い、というワードに更に頭の奥が沸いた。
あ、やばいかも。
「……あたしだって……あたしだって！ 意固地なつきちゃんの所嫌いだよ！ 大っ嫌い！！」
売り言葉に買い言葉。あたしは棘まみれになった言葉を、つきちゃんに向けて思わず吐いていた。
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かるぴん(プロフ) - めちゃくちゃブン太大好きになりましたら！主人公も友達のキャラも好きです！素晴らしい作品をありがとうございました！ (2022年4月9日 3時) (
レス) @page50 id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
幻想曲(プロフ) - YUEMINさん» コメントありがとうございます！！ハチャメチャに嬉しいです、頑張ります(´∀`) (2019年3月23日 23時) (レス) id: 530eb924bf (このIDを非表示/違反報告)
YUEMIN(プロフ) - 完結おめでとうございます。めちゃくちゃ楽しく読むことができました!!これからも頑張ってください。応援しています!!! (2019年3月23日 22時) (レス) id: 1af2bac581 (このIDを非表示/違反報告)
りんごあめ(プロフ) - とんでもないです^ ^ゆっくり書いて頂ければ幸いです。作者様のペースで、頑張って下さい！応援してます！ (2019年3月22日 21時) (レス) id: 949b3c86b7 (このIDを非表示/違反報告)
幻想曲(プロフ) - りんごあめさん» ありがとうございます！！！めっっちゃくちゃ嬉しいです！！！後日談、出来たら書きたいと思っているのですが如何せん残りの話数が2話分しか残っていないもので……なんとか収めて書きたいと思っていますのでお待ちいただけたら嬉しいです！ (2019年3月22日 1時) (レス) id: 530eb924bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：幻想曲 | 作者ホームページ：http://uranai.amanoboru
作成日時：2018年9月11日 22時
