page18「身近で遠い」 ページ26
私がその話題を出すと、まふくんはパッと表情を明るく、それでもって愛らしい笑顔を向けた。
そのことに少しだけの安堵を覚えながらまふ君の続きの言葉を待つ。
すると、まふ君は自身のポケットに手を入れながら「そうだよ〜、えっとね…!」と実際にそれを見せてくれようとしているようで、スマホを出して指を画面に滑らした後キヨ君が映っている動画を私に見せてくれた。
それは実写八割、ゲーム二割くらいの画面の比の動画でキヨ君の他に三人ほど映っている。それを見て、シンプルに面白いなって思ったのと、遠い人なんだなっとも思った。
芸能人にでも会っていたかのような、そんな感覚が私を襲う。
そして暫くするとそのゲームは終わりを告げ、関連動画、おすすめ動画が画面へ映る。そこで私の視線も一緒に画面を覗いていたまふ君へ向いて一言。
「面白かったね!なんか遠い人に感じちゃった…」
そう私が言うと、まふ君は笑って「そんなことないよ」と優しく否定すると言葉をつづけた。
「この世に遠い人なんていないよ、遠いだなんてきっと思い込みで、Aちゃん自身が思ってるより近いんだよ。」
真剣な声音でいうが、表情自体はやっぱり優しくて。どんな意味がある言葉かなんて多分しっかりと理解してない。でも、その言葉が心のどこがで大きく脈打つ。
「…私にも、いたのかな。キヨ君みたいな存在の人…」
ポツリと無意識に出てしまった言葉は二人だけの空間に静かに響いたようだ。けど、さっきみたいにまふくんは目を合わせるということはなく、「さぁね」と返答した。
「…僕、喉乾いたから何か買ってくるね、Aちゃん何かいる?」
「ううん、大丈夫。ありがと」
私がそういうと、まふくんは「他の動画でも見て時間つぶしてて〜」と声をかけて病室を出て行った。なので私はもう一度キヨ君の違う動画を見ようと思ったが、タイトルに【まふまふ】と書かれている動画を発見した。
「も、もしかして…まふくんの動画?」
厭でも…とあれやこれや考える前に私は好奇心でその動画をタップした。
すると、聞いたことある透き通った声が耳を抜ける。
____かっこいい…
ただ単純にそう思った。
歌で、声で、音楽で、これだけ人の心を動かせるものを作れるってすごい。
他にも動画はないかとみれば、【まふまふ】の文字がタイトルにあるのがいくつも見受けられた。
すると、偶然目に入ったタイトルが私に大きく期待を寄せた。
【まふまふ×そらる】
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雨中と猫。(プロフ) - ちょこさん» うわああああんすみませえええええんがんばります (2022年2月10日 2時) (レス) id: dcb807c257 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - 更新が止まってます!戻ってきてください!続き楽しみに待ってます!(´;ω;`) (2021年12月20日 22時) (レス) @page49 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
雨中と猫。(プロフ) - いちごポテトよーぐるとさん» 返信が遅くなりすみません!めちゃくちゃ嬉しいです、現在別作品「笑えないって」リメイク更新中ですのでもう暫くお待ち下さい!! (2021年12月9日 18時) (レス) id: dcb807c257 (このIDを非表示/違反報告)
いちごポテトよーぐると(プロフ) - 色々な感情で涙が……とても面白かったです…。更新待ってます、! (2021年8月17日 0時) (レス) id: 33ba1212be (このIDを非表示/違反報告)
雨中と猫。(プロフ) - 眠夢_さん» うわああああありがとうございます!!今メインで書いている「笑えないって」という小説のリメイクを行っていてそちらが落ち着き次第こちらも更新しようと考えております!絶対完結はさせますので何卒ー!! (2021年8月13日 3時) (レス) id: 6b41ff11b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨中と猫。 | 作成日時:2017年4月29日 2時