キ ラ イ 喪 失【そらる】

page1「姉」 ページ2

私には双子の姉がいる。




容姿端麗で、頭脳明晰そしておまけに歌も上手いのだ。
そんな姉は性格も良く、優しく温厚で頼りになった。




歌い手もやり始めた姉はすぐに人気者になって、
遠い存在に感じた。





まふまふさんやそらるさん。
そのほか、
浦島坂田船の皆さんとも気軽に喋るような仲になっている関係は
とても羨ましく、そして妬ましかった。




そんな姉は皆んなから愛された。




こんな醜い私にも姉は優しく、
良く一緒に出かけたことを覚えている。




だからか、私は劣等感がそれ程、無かったのだ。
いや、感じなかったのだ。



それは逆に姉が気を遣ってくれて居たのかはわからない。
でも、私は姉が大好きだった。





そして月日が経つと姉は歌い手さんを家に呼んだことがあった。
歌い手が大好きな私を気にかけてくれたのであろう、


私を紹介してくれた。





_______嬉しかった。






目の前で歌い手さんがいることと、



姉が私のことを思ってしてくれた行動に。





_______だけど、





皆、私には興味が無かった。





まぁ、これは想定内で分かりきったことだった。


あんなに完璧な姉だ。


私の方が姉より目立つことなんてありえない。
非、あってはならない。



そう思うのだ。





だって、私と姉とでは天と地の差がある。
容姿だって、頭脳だって全てに置いて私は劣って居た。




_______悔しかった。でも、追い付けることはない。








今も、これからも、何十年経っても。









絶対に。









_______姉はもうこの世には居ないのだから。

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