page21「決めつけ」 ページ29
「……どういう、こと…?」
____【知らなくてもいいこと】
厭、私には知らなくちゃいけないことがありふれている。ありすぎて、この小さな手には全て納まらない。
____それでも、
「…それでもって言ったら……?」
聞いてよかったのだろうか、と言葉を口に出してから考えてしまう。だが、言ったことはもう取り消せない。
「…『それでも』?」
そう含みのある言い方でまふくんは私の言葉を復唱する。
そうして少ししたらふふっと小さい子が意地悪を思いついたような笑い声をあげた。
そこで私は自然と俯いていた顔をまふくんに向けた。
すると、絵に書いたように綺麗な笑顔でいるまふくん。
「まふくん…?」
「ねぇ、Aちゃん。
知らなくていいことって誰にとってだと思う?」
「え…?」
唐突な空気の変わりよう。一瞬では理解できない質問。
私は考えてる振りをするが、誰にとってかなんてわかっているようなものだった。
だけどそれが間違いであって欲しいから考えてる振りをして、現実逃避という名の時間稼ぎを行う。
だが、このままではいけないのもわかってる。
私はまふくんの目を逸らさずに言い切った。
「まふくんにとって……でしょ?」
そう言うと今さっきまでの彼の笑顔が崩れた。
それでも私は続けた。
「私が取り戻したらまふくんが困る記憶があるんでしょ?」
張り詰める空気に押しつぶされてしまいそうだが、そこは今耐えるしか道は無い。事実はきっとすぐそこなんだ。
数秒の沈黙。
一定の秒針の音。
二人の呼吸の音。
頬に伝っていた涙はもう乾いている。
心臓が彼の言葉を急かすように動く。
すると、まふくんは何かに諦めたように少し笑ってみせると静かに口を開いた。
「じゃあ、それでいいよ」
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雨中と猫。(プロフ) - ちょこさん» うわああああんすみませえええええんがんばります (2022年2月10日 2時) (レス) id: dcb807c257 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - 更新が止まってます!戻ってきてください!続き楽しみに待ってます!(´;ω;`) (2021年12月20日 22時) (レス) @page49 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
雨中と猫。(プロフ) - いちごポテトよーぐるとさん» 返信が遅くなりすみません!めちゃくちゃ嬉しいです、現在別作品「笑えないって」リメイク更新中ですのでもう暫くお待ち下さい!! (2021年12月9日 18時) (レス) id: dcb807c257 (このIDを非表示/違反報告)
いちごポテトよーぐると(プロフ) - 色々な感情で涙が……とても面白かったです…。更新待ってます、! (2021年8月17日 0時) (レス) id: 33ba1212be (このIDを非表示/違反報告)
雨中と猫。(プロフ) - 眠夢_さん» うわああああありがとうございます!!今メインで書いている「笑えないって」という小説のリメイクを行っていてそちらが落ち着き次第こちらも更新しようと考えております!絶対完結はさせますので何卒ー!! (2021年8月13日 3時) (レス) id: 6b41ff11b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨中と猫。 | 作成日時:2017年4月29日 2時