翠玉の守護者 (ページ8)

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7話ページ8

sideひとらんらん

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『傷口は塞がって来ているが完全には治ってない、包帯で固定しているとは言え無理をするな…国の事が大切なのは分かる…だが、自分の事も大事にしろ……すまん…部外者が知った様に話してしまって…もう、身体を休めた方がいいな…おやすみ』
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「…はぁ(大事にしろって言われてもなぁ…)アイツが作った国だ、何としても守りてぇに決まってんだよなぁ…」

ここにはもう居ない相手の言葉にひとらんはぽつりと答える

「(だが…)…ラルドにあんな顔させたかった訳でもねぇんだよなぁ…あぁ～どーすっかなぁ」

不本意とは言え死にそうになっていた所を助けてくれた恩人である
そんな彼女に苦しい表情をさせてしまった事が頭に残る

「あぁ！寝る！」

モヤモヤとする気持ちを押し込め布団に潜る
外は明かり１つ無くザワザワと不気味な風が吹いていた
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まだ太陽が完全に出ていない薄暗い時間帯
１つの家では動く者が居た

「…って言っても帰らねぇとな」

動く正体はひとらん
自分で言っていた様に傷は激しく動かなければ大丈夫な位回復したようだ

「…(ラルドには悪いがこっちも仕事があるから仕方ねぇ)」

ベットからゆっくりと立つ、そして立て掛けてある刀を持ち昨日ラルドが出て行ったドアへと足を運ぶ

「…(音がしない、大丈夫か？…てか俺の服…)」

ギィ…

余り音を出さない様にドアを開けながら着れる物が無いか探す

「！」

何かを見つけ目を見開くひとらんの前にある机には、薄く泥と血が滲む己の服とマスク竹皮に包まれている握り飯、水の入っている水筒それと置き手紙があった

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"これを読んでいると言う事はここを出るのだな…
ならばもう、止めはしない
机の物は森の中でお前を見つけた時にあった物だ
軍服は私が出来る限り修復したが汚れは取れなかった、帰ったら新しく作って貰え
肌着は寄せ集めで作った、サイズが多少違くても我慢してくれると助かる
簡単な物だが、握り飯と水を持って行け
回復するのが早いとは言えお前は怪我人だと言う事を忘れるなよ

短い時間だったが、ひとらんらんとの会話は楽しかった
ありがとう

追記
家の外にモウムを用意した、自由に使ってくれ"
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「はぁ…分かってたのかよ……有り難く貰っときますよ」

様々な布を使っている肌着を着て、真っ白とは言えない軍服を羽織るとマスクを身につけ、ラルドが用意してくれた物を持ち外へと歩き出した

空はゆっくりと夜から朝へ変わる