翠玉の守護者 (ページ6)

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5話ページ6

それから出された食事を平らげたひとらんはラルドに顔を向ける

「ご馳走さま、美味かった」

『口にあった様で良かった。これを片付けたら身体を拭こう、それと包帯も新しい物に替えなければな』

「すまない」

『気にするな、直ぐに準備をするから少し待っててくれ』

そう言ってラルドはトレイを手に部屋を出た
残されたひとらんの頭の中では１つ２つと疑問が浮かび上がる

「…(ゆっくりと考える時間が無かったからあれだが、俺が気を失ってからどれぐらい経った？……んー…ラルドに聞くか…国は…彼奴らは大丈夫か？…くそぉ騒ぎにならない様逃げたが、あの馬鹿共をワンパンで沈めりゃあ良かった)」

疑問は何故か己に怪我を負わせた男達への苛立ちへと変わっていた

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ゆらりゆらり

ゆったりと尾を揺らしながら洗い場に立つラルド

『(完食してくれたか…食欲がある事はいい事だな。さて、ぬるま湯とタオル消毒液それに包帯も用意しなければ)』

食器を洗い終わりタオルで手を拭きつつこれから必要な物を思い浮かべる

『あ、着替えも必要か…しかし…ひとらんらんが着れるサイズの服は無いし、元々着ていた服はボロボロになっているし…困ったな』

ひとらんが着ていた白の軍服は腹部の血の跡と森を走り回った事によるほつれと汚れにより着れる状態では無い
肌着を着るなんて以ての外だ
しかし、怪我人をいつまでも包帯だけにしとく訳にもいかない

『…兎に角、戻ってからひとらんらんに聞くか…包帯を巻いている時におよそのサイズを測る事も出来なくは無いが…辞めておこう、失礼だな』

服の事を考えながらも準備を進めているラルド
沸騰したお湯に丁度いい温度になる様、水を足しながら確認する。他の物は用意してある為、お湯が出来れば準備完了だ

『よし、このぐらいの温度で大丈夫だろう』

ラルドは必要な一式を持ちひとらんの下へ向かった