翠玉の守護者 (ページ45)

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44話ページ45

ラルドは意味深な笑顔を浮かべたゾムに渋々、中身の入っている水筒を渡すと彼は自分の水筒も取り出し言い合いをしている2人に近づく

「…なぁラルド？俺、嫌な予感がすんのやけど」

『…奇遇だな、私もだ…ゾムに水筒を渡したのは間違いだったかもしれない』

意気揚々と2人の下へ行ったゾムを見ながらロボロとラルドは選択を間違えたと思った
一方、未だに言い合いを続けているコネシマ達は近付いたゾムに気付いていない様だ

「イキんなや子犬！」

「黙れお前！」

「大体な、おまe「ふぅぅううん！！」

バシャア！！

「「…」」

『「…」』

「プッ…2人共！喧嘩は、っ辞めるんだ！」

両手に持っている水筒を2人の頭の上でひっくり返し、中の水がコネシマとシャオロンに降り注ぐ
頭から水を被った彼等は何が起こったか分からないのか固まっている、ラルド達も濡れてはいないが目の前で起こった事に反応が出来なかった
水を滴らしながら固まる2人を若干吹き出しながら止めたのはゾム

「お前…ようやってくれたなぁ…」

「プッククッ…えぇ？言い合い止めたんやで？」

「笑いが隠せてないんだよなぁ」

『…2人共…だ、大丈夫か？』

「「…」」

ラルドはゾムやそんな彼にジト目を向けるロボロを置いといて固まるコネシマ達に声をかけるが返事は返って来ない

『と、兎に角、何か拭く物を「ゾムゥゥウ！！」』

「クフッ…コネシマど、どうしたん？」

「どうしたちゃうわ！！」

「おい！お前、どうしてくれんねん！服がびちゃびちゃになってしもうたやん！？」

ラルドが濡れた2人に拭く物を探してあげている時に思考が戻ってきたのか彼等はゾムに詰め寄る

「でも、これで頭の冷えたやろ？」

「冷えるかぁ！」

「これどないしよ…試験官から指示あるっちゅうのに」

自分達をびしょ濡れにした犯人は少しの反省もしておらず逆に良い仕事しただろ？と言う様な顔をしている
そんなゾムに噛み付くコネシマと濡れた全身を見るシャオロン
手荷物からタオルを見つけたラルドはそんなシャオロンへ話しかけた

『ゾムがすまない…これ、未使用のタオルだ、良かったら使ってくれ』

「！…ありがとう」

「お！ラルド、俺にもくれ！」

『あぁ、コネシマの分もあるぞ』

シャオロンにタオルを渡すのと一緒に謝罪をしているとゾムに文句を言っていたコネシマも側にやってくる
どうやら彼に文句を言ってものらりくらりと流されてしまって意味が無いと思ったらしい