翠玉の守護者 (ページ40)

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39話ページ40

「「「……」」」

ラルドの連れと思われる男が自分達を警戒している事に気付いたゾムとロボロは向けられる視線に少しも逸らさずに睨み返す(ロボロは布で顔が見えないが)
先程までの空気は何処へ行ったのか、3人の間にはピリついた雰囲気が流れる

『…あー、コネシマ？』

「なんや」

『その、この2人はコネシマと離れてしまった時に会ったんだ、緑の彼はゾム、顔を隠しているのがロボロだ』

「そーか」

『…えっと、ほら！近接戦闘試験の時と射撃試験の時に注目した！」

「そうやな、"隠の"やな」

『あ…』

睨み合っているコネシマに2人を紹介するが、近接戦闘試験の時に彼に話したゾムは隠の者かも知れない(事実、隠の者だったが)と言う事をコネシマはしっかり覚えており警戒していた相手と一緒に居るロボロの事も同じだと思い今の状況を作ってしまった

「なぁ、さっきからなんなん？」

「…」

「言いたい事があるんやったら言いや」

「なら言うわ、なんでお前らがラルドと一緒におんねん」

「ラルドが言ってたやろ、お前と離れた時に会ったって」

「んな訳あるか、ラルドはお前が"隠の"やないかって警戒してたんやで？」

『コネシマ！』

「…何が言いたいねん」

「お前が無理矢理、ラルド連れ回してんとちゃうんか？」

「…(アカン、事実や)」

高身長のコネシマと同じぐらいの背丈のゾムが互いを睨み言い合う
しかしその中の無理矢理連れ回していると言うコネシマの言い分は事実、合っていた

「…そーだったらなんや？」

「っ！お前！」

『ま、待てコネシマ！』

コネシマの言い分を肯定したゾムに掴みかかろうとした彼をラルドは抱き付く事で止める

「ラルドなんで止めんねん！」

『ゾムとはちゃんと話し合えた！だから、もう警戒しなくても大丈夫だ！』

「そんなん信じられんわ！」

『っ！兎に角、一旦落ち着け！！周りが見てる…』

「！…チッ」

不穏な空気を醸しながら言い合う2人をチラチラと見ていた他の志願兵達の他にも、コネシマが大声を出した事に何事かと目を向けられる
そんな状況はまずいと思ったラルドが小声でコネシマに伝えると彼は苛立ちを隠す事なく舌打ちをした
掴みかからないと分かったラルドはコネシマから離れる

『場所を変えよう』

ラルドの言葉に3人は何も言わずに歩き出した