38話 ページ39
始めに集まった試験場に着いた志願兵達は合格の安否に胸を高鳴らせる者と不安げな者、じっと待つ者と様々だった
そんな中、話し合う3人がいた
「改めて集まると多いな」
「そら東西南北、様々な種族が来てるんやから当たり前やろ」
『それに急成長している我々国だ、そんな国の軍人になれば色々と得をする』
ロボロ、ゾム、ラルドは広いとは言えど志願兵がひしめき合う場所で周りを見渡しながら話していた
「しっかし、今年の合格者数は何人なん？」
『確かに…知らされて無いな』
「毎年、人数はバラバラやで」
「ゾム知っとんのか？」
「なんや、お前ら調べてへんのか」
『恥ずかしながら』
「しゃーない、教えたるわ！」
少し得意げな表情を浮かべたゾムが語る
「ええか？軍人採用試験は除隊した者や殉職、言わば戦死した者、結婚する為に辞めた者達の開いた穴を埋める為の物や、やから去年の試験から人数が大幅に減っとったら今年の合格者数は多いし、逆なら少ない…そして、今年の合格者数は俺が思うに1.000人ぐらいやと思う」
「ほーん、ちゃんと調べたんやな」
「おまっ！当たり前やろ！」
『だが、何故1.000人ぐらいだと思ったんだ？』
「去年、戦争は無かったものの小さな小競り合いがちょくちょくあったらしいねん、その日数と動員したおおよその人数から怪我で除隊せざるを得ない者や、運悪く殉職した者を引けば大体分かる」
「…」
『…成る程』
「どうしたん？」
『いや…』
予想以上の内容と情報にロボロとラルドは思いがけず感心の念を抱く
「あ、もしかして意外やったん？」
「ぶっちゃけ」
「こう言うのはちゃんと調べるんやで俺」
『凄いな…』
「もっと褒めてや」
「おいコラ、調子乗んな」
ゾムのお陰でおおよその予測を立てる事が出来た為、この待ち時間も気軽に待つ事が出来た3人
そこに
「あっ！おった！おった！探したで」
と話しかけて来たのは離れていたコネシマだった
『コネシマ！』
「ラルドお前、ビックリしたで！終わって戻ったらおらんくなってん！めっちゃ探したで」
『苦労を掛けたな…すまなかった』
「まぁ、無事見つかって良かったわ」
『探しに来てくれてありがとう』
「これぐらいええよ、っと…お前らは？」
ラルドとの会話をそこそこにコネシマは彼女の左右に居る男達に声を掛ける
その目には警戒の色が浮かんでいた
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作者名：°.雨の子.° | 作成日時：2019年10月2日 11時
