翠玉の守護者 (ページ37)

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36話桃は叫ぶページ37

「俺の連れ、チビやけどおもろい奴やで」

『そうか…あーゾム？』

「ん？」

『腕を引っ張らなくても歩けるぞ？』

「…あぁ！すまんすまん、こっちの方がええか」

『あ、いや…』

ラルドを己の連れに合わす為に歩くゾムに、ラルドは腕を引かれずとも歩けると言うが何思ったのか腕から手を離し彼女の手を握り再度歩き出す

『そ、そう言う訳では無いのだが…』

「ええやんええやん」

何故か分からないが機嫌が良くなった様子のゾムに連れられ志願兵達が居る場所に戻ると

「おいコラ、ゾム！どこ行ってたねん！」

「お！ロボロ出迎えか？」

「なんでやねん！」

ゾムに話しかける(怒鳴りつける？)男の声が聞こえた

「まぁ、ええわ」

「よかないわ！お前、俺が他の奴を見てたらフラァっておらんくなって！こっちがどれほd「さっき知り合ったラルドや」っておい！」

ロボロと呼ばれる男を半ば無視してゾムはラルドと繋がっている手を前に引く
するとゾムの身体で隠れていたラルドが前へ出た

『おっと…ゾム』

「すまんなぁ」

急に引っ張ったゾムに咎めるような目線を送る、しかしそんなラルドに軽い謝罪が返って来る

「なっ！？あ、あの時の！」

前から聞こえた声に顔を向けるとそこには"天"と書かれている布で顔を隠している少年、改め男の姿が

『！ゾムの連れは君か』

「なんや？知り合いやったん？」

『いいや』

「ちゃうで、俺が財布盗られてしもうて、その時助けてくれたんよ」

「ちょ！ロボロおまっ！情けないわぁ」

「うっさいわ！試験前に問題起こしたらアカンって思ってん！」

出会った事を簡単にだが話すと案の定、ゾムはニヤニヤと笑いからかう

『その辺にしておけゾム…改めて私はラルドだ、あの後は大丈夫だったか？』

「ロボロやよろしゅう、おん、へーきやったで」

「おい！おい！ロボロ、ホビット族のって抜けてるで」

「だぁまれ！！」

改めてラルドと自己紹介をし、知り合ったロボロに茶々を入れるゾム

『はぁ、ゾムの相手は大変だな』

「なんでそんな事言うん？ラルドと俺の仲やん」

『仲って…ついさっき会ったばかりだろ？』

「何言ってんねん、あんなに深ぁ～く語り合った仲やろ？」

『あれは…』

「って！ちょちょちょ！？何で手繋いでるん！？」

ロボロは繋がれてる手に目を向ける
するとゾムが

「何でって…こー言う仲って事や」

と繋いでる手を見せつける様に上げた

「いやぁぁあ！？ウッソやろ！？」