翠玉の守護者 (ページ4)

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3話ページ4

太陽が昇り木の間からは木漏れ日が降り注ぐ
心地良い風が吹き草木の香りを運ぶ
そんな穏やかな外とは違いある家の寝室ではピリついた空気が流れる

「…」

『そう警戒するなっと言っても無理か…』

「…」

ひとらんは刀がある方へと重心を傾けており不審な行動をとれば直ぐにでも刀を手に取るだろう

『はぁ…ここはイーアルの森、私はラルド森の民達からは守護者(ガーディアン)と言われている…信用はしなくても良いが理解はしてくれ』

落ち着いて話が出来る雰囲気では無い為ラルドは今いる場所、己の事を話す
ラルドとひとらんの目が合わさる

「…わかった、信じよう」

ラルドが嘘をついていないと確信したひとらんは警戒していた体勢を戻した

『そう言ってくれて助かる』

「いや…治療をしてくれたのに疑ってすまない」

『仕方ないさ、名の知れている者であるなら警戒して当然だ』

「俺を知っていたのか？」

『知らない、ただお前を追っていた奴が復讐鬼と呼んでいたのでな』

「そうか…」

ラルドの言葉を聞いたひとらんは少しばかり考え込む

「…改めて名乗ろう、俺はひとらんらん我々国の軍人だ」

『近年、急成長している先進国か！』

「あぁ…」

『成る程、異様に警戒する理由も追われていた理由も納得だ』

ここ数年で他の大国と肩を並べる程に急成長した我々国、その国の異名を持つ者となると狙われるのは必然だ
その事からひとらんは自分の事を知った途端に襲われても良いように警戒していた

『まぁ、それを知った所で何もしないが…兎に角、傷を癒すのが先だ』

「…恩にきる」

『ふ、気にするな…食事が冷めてしまったな温めて来よう』

ラルドは小さく頭を下げるひとらんにクスリと笑い手を付けていないトレイを持ち部屋を出た

「ふぅ…(あの翠はラルドだったか)」

開け放った窓から柔らかな風が木漏れ日と共に部屋の中に入てきた