28話 アカは語る ページ29
長い廊下はマルーン色のカーペットが敷かれ所々に花瓶やランプが置かれており重厚感を漂わせる
扉が付いてる反対側は大きな窓が1つ2つと先まで続いており陽の光を中へ入れる
そんな廊下を歩く2人の男、1人は手に20枚程だろうか紙を持ち内容を流し見しながら歩き、もう1人は1枚の紙と小さな箱を手に隣を歩く
「ホンマ勘弁して欲しいわ…何で俺があいつらの分やらなあかんのや」
「トントンの方が仕事早いやろ？」
「それとこれとは話がちゃいますやん…グルッペンのはまぁ…あいつか俺がやらなアカンヤツやから100歩譲ってしゃあないとして、何で大先生のが俺の所に紛れてるんですかね？！」
「あーそれはアカンな、因みに何枚？」
「…17枚」
「17！？持っとる紙の殆どやん！」
「そうやねん、残りは他の書類なんやけど自室で仕事してたら見つけてな…」
「あの書類の山から？よう頑張ったなぁ」
「あいつ俺の書類と書類の間に1枚ずつ入れてあたかも俺の仕事の様にさせてたんやで？酷い話やわ」
「そうやなぁ…ん〜……そんなお疲れなトントンにはペトルの飴ちゃんあげるめう〜」
「おぉ…オスマンありがとう」
「ペトルの飴ちゃんは花のエキスが入ってるからリラックスも出来るし美味しいめう〜」
トルコ帽を被る男は内ポケットに入っていた飴を2粒赤いマフラーをしている疲れ顔の男へ渡す
顔を綻ばせながら語る男に苦笑が浮かぶ
「ホンマ、オスマンは甘い物好きやなぁ」
「当たり前やん、疲れも取れるし頭も回る一石二鳥やで？」
「はは、せやな」
話し合いながら廊下を歩く2人
開けている窓があるのか心地よい風が廊下に入りトルコ帽に付いている房とマフラーを揺らす
目的地はまだ先だ
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作者名：°.雨の子.° | 作成日時：2019年10月2日 11時
