翠玉の守護者 (ページ28)

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27話ページ28

隠の者
暗殺を稼業とする影の里の者を指す言葉
多額なお金を請求するがどんな依頼もこなす力量がある
影の里は何処にあるのか知られていない
隠の者は身体の何処かに印を持つ

イーアルの森を守る為、外の者達を調べたラルドでさえ分かった事はこれだけだった
一般的には彼等は「悪い事をすると"影"が襲って来る」と言った親が子に対して語られる事が多い
その事から影の里並びに隠の者は言い伝えの類の様な扱いを受けている……"一般的に"はだが…

『隠の者が軍人に…か』

「なぁラルド、なんでアイツが隠の者だと思ったん？」

『それは、以前色々調べていた時があって…先程、彼が下がった時に見えた目元に隠の者である印があった(それに、どんな依頼もこなす力量は即ちどんな状況にも対応出来る事…という事は様々な武器を扱えるだろう、暗殺を稼業としているんだ顔を隠すのは当たり前それに彼の目元に印…あれは痣なんかじゃあ無い)』

ラルドは自身が調べた事と兵長を相手取る男の様子から危険な者達だとマークしていた隠の者であると確信する

「ほぉ～成る程な…しっかし、驚いたで！あの隠の者がホンマに居るなんて知らんかったからな！良くお祖母ちゃんに影に襲われんで！って言われてたわぁ」

真剣な眼差しで彼を見ているラルドにコネシマは居ないと思っていた者が存在していた事に驚き興奮している様だ
そんなコネシマにキョトンと目を向けた後、知らず知らずのうちに笑みがこぼれた

『…ふふっコネシマは余程、手の掛かる子供だったのだな』

「まぁな」

『ふふふ、しかし怖がったりはしなかったのか？』

「そうやなぁ…俺の方が強いって思ってたで」

そう言ってコネシマはニカッと笑う

「それに、怖いって言うより驚きの方がでかいわ、元々昔話だとか言い伝えだと思ってたからなぁ…まぁでも、警戒はするが怖がったりはせぇへん」

『コネシマらしいよ』

2人がそんな話をしていると

「そこまで！只今をもって近接戦闘試験を終える、次の試験場へ…少し待て…………前の組みが少々遅れているそうだ、よって先に違う試験を受けて貰う、付いて来い」

試験官が次の試験場へ連れて行こうとしたら連絡が入ったのか違う試験を先に受ける事になる
先を行く試験官に着いて行くラルド達志願兵は次に行う試験へ向け身を引き締めた