翠玉の守護者 (ページ27)

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26話巷談の影ページ27

「近接戦闘試験始め！」

試験を終えた2人は相手をしてくれた兵長の事や気になった志願兵、武器の事などを話し合っていた
そこに次の開始を告げる声が聞こえ5つある円へ顔を向ける

＿＿＿

「お！あの斧使っとる奴、豪快やな」

『あぁ…だが、鍛え過ぎだ』

「そうか？斧なんやし筋肉はあった方がええやろ」

『いや、次への動作が遅くなってる』

「？……はぁ～！成る程な！足がもつれとるやん！」

『斧と自分の重さの所為で、身軽に避ける兵長の動きについて行けてない…まぁ、緊張とかで動きが硬くなってるのかもしれないが』

「あれはアカン」

『ん、二の円に入ってる彼女はどうだ？』

「…ええケツしとるな」

『…』

「アタッ！！なんで叩くねん！」

『なんだ？拳の方が良かったか？』

「すんません」

試験を受けている者達を見てそれぞれ感想を言う

『たく、お前は…』

「すんませんってホンマにちゃんと見るからそんな怒らんといてぇな」

『見て学ぶ事もあるんだぞ』

「わかっとるって…っと…ラルド見てみぃ！」

『誰をだ？』

「五の円に入っとる緑の奴や！」

『彼か？持っているのはシースナイフだな』

「いーや、スローイングナイフも使っとった」

『そうなのか？…ん、今のは…』

「左手のガントレットから出たワイヤーやな」

『…ワイヤーか？』

呆れるラルドに気になる志願兵を見つけたのかコネシマは声を掛ける
2人の目線の先に居たのは緑のククルスを羽織りフードを目深に被る男
彼は笑みを浮かべながら兵長と相対していた

「アイツ凄いなぁ」

『…(彼は何者だ？様々な武器で兵長を翻弄している)』

「お、またスローイングナイフを投げたで！」

『！』

接近してくる兵長に男はナイフを投げながら後ろへ飛ぶ
その時、風に煽られ隠された片方の目元がチラリと見えた
ラルドはそこにあった印に気付く

『あれは…』

「は～アイツ強いなぁ…ラルド？どないしたん？」

『彼は…隠の者だと思う』

「なんやて？それホンマか！」

『確証は無いが多分そうだろう…』

ラルドの言葉に驚き声を上げるコネシマ
2人は一層注意深くフードの男を見るのであった