翠玉の守護者 (ページ26)

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25話ページ26

低い体勢で円を描く様に走り、兵長に左から近づくとダガーで横から前へ斬り払われる
それを、上半身を反らしつつ手首を内側から外へ返す様に回しダガーを剣に滑らせ刃を払う
その勢いで回転をし兵長の背後に回ったラルド
続けて回った時、胸に引き寄せた剣を兵長の背中に突き刺そうとするが瞬時に左足に重心を変えた兵長は右足を左踵の方へ引き寄せたと同時に振り向き突きを放つ剣先をダガーで弾いた

キンッ

甲高い金属音が鳴り、続けて攻撃しようとした兵長だがそれよりも早くラルドは左に弾かれた剣を外から内へクルリと回し添える様に兵長の首に当てる
ここで2人の動きが止まった

「…ここまで、試験終了だ」

『っふぅ…ありがとうございます』

終了の声にラルドは剣を下ろしながら１つ息をつき相手をしてくれた兵長へ頭を下げながら感謝を述べる

「お前の力、しかと見せてもらった」

『！』

「ふっ…さぁ、円から出ろ」

頭を下げるラルドに兵長は小さく笑みを浮かべ、もう話は終わりだと言う様に背を向けた
円から出ると手を上げているコネシマの下へ行く

「お疲れ！いやぁ～凄かったで！」

『ありがとう…だが、まだまだ力不足だな』

「ん？そうか？」

『あぁ、今まで速さに重きを置いて鍛えてきたが今回の事で筋力も鍛えないといけないと思ったよ』

「ほーん、成る程な…やけど勝ったんやからええやん」

『だが…』

「ラルド、お前は固いねん！今は喜ぶ所やぞ！」

先程の試験を振り返り反省をしているラルドにコネシマはビシッと指を差し話す

「終わったんやから次の事考えんと！」

『…ふふっ、そうだな次を考えるか』

「おう！それにまだ試験を受ける奴おるんやから、どう戦うんか見るのもおもろいで！」

コネシマの言葉に表情を緩め聞く

『なら私が試験を受けていた時、他の志願兵で目に付いた者は居たか？』

その問い掛けに目を輝かせ答える

「おったおった！ごっつぅ背の低い奴が槍、ブンブン振り回しとったで！あれはおもろかったわ～」

『槍か、それは見てみたかったな』

ダガー相手に距離を取ったまま攻撃出来る槍をどう扱って試験を受けたのか気になったラルド
予期せぬ再開は近い

___

「終わったで」

「おぉ、お疲れさんてかお前振り回し過ぎや」

「別にええやろ！」