翠玉の守護者 (ページ25)

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24話ページ25

一定の距離を保ったまま神経を尖らせる

『…お強いですね』

「そりゃ兵長だからな、鍛えてるさ」

距離を取った事で考える余裕が出来たラルド
兵長へ声を掛けると当然だと言う風に答えが返って来た

『(さて、どうするか…私が兵長より優れているのは種族的部分と速さ、一対一又は一体多数の経験…)』

「…なぁ、緊張してるのか？肩に力を入れ過ぎじゃないか？これは試験だ、実戦じゃない」

『！』

「お前本来の力を俺に見せてみろよ」

これからどう攻めるかを考えていたラルドに兵長は話し掛ける、これは命をかける様な戦いでは無く己を試す試験だと
目を丸くする彼女に兵長はニヤリと笑い言葉を吐く

『私は…(私は自分で気が付かない程、知らず知らずのうちに焦っていたのか？……確かに大勢の志願兵を見て圧倒されてしまっていた…この数を押し退けて限りある兵士になるのだと)…ありがとうございます』

「お、固い表情じゃ無くなったな」

『はい！…ふー…(そうだ、まだ始まったばかり焦る事など無いのだ)』

目を閉じ、吐き出した息と共に力を抜く
開いた瞳にはもう迷いは無い

『(一先ずは、目の前の事に全力で！考えるのはその後だ！)行きます！』