翠玉の守護者 (ページ24)

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23話ページ24

試験官に呼ばれ歩き出そうとした所を話し掛けるコネシマに足を止め振り向く

「なぁ、お前のその武器なんなん？」

『32式剣だ』

「ほー、俺の剣より幅無いな…どうやって戦うん？」

ラルドの手に持つ細長い剣を見ながら問い掛けるコネシマに微笑を浮かべながら答える

『ふ…見てからのお楽しみと言っておくか』

「お、おう？…楽しみにしとるわ」

何をするのか分からない様子のコネシマを見てから円の中へ入ったラルド
相手の兵長は彼女へ確認の為か話す

「背中の弓矢は降ろさないのか？」

『戦場で敵が武器を降ろすを待ってくれるのですか？』

「…そうだな」

『ですので、このままで結構です』

「分かった」

大きな弓を背負ったまま試験を受けるラルド
彼女の左手に逆手で持つ剣を見て準備は整っていると分かった兵長は試験官へ合図を送る

「近接戦闘試験始め！」

『…』

試験官の声と共に体勢を低くして走り出すラルド
近づく距離に逆手に持った剣をくるりと回し構えると兵長は右手のダガーを突き出す
右へ身体をずらしながらダガーを剣で払い、空いた脇腹に再び手の中で回した剣を突き刺そうとするが相手は右に下がる事で避けた
それを追うラルドに兵長は下がりながらダガーを持つ右手を前に構える
その瞬間、低い体勢を更に倒したラルドが兵長の右腕に隠れる様に左へ回転しながら移動
移動中、右手に持ち替えた剣
それを回転の勢いを乗せて兵長の背中に斬りかかるが

「…ほう」

『っ！』

刃が交わりキチキチと鋭い音が鳴る

ラルドの左上から振り下ろす剣を体を逸らしナイフで受け止めた兵長

「素早い動きだ、只、力を乗せきれて無い」

『くっ…』

素早い一連の攻防が止まった
その間に体勢を整え、ラルドに向き直る兵長の表情は彼女の速さに感心している様だ
だが、力を加え彼女に対し、涼しげな顔だ

『っ(流石、現役の兵長だ…状況判断も対応も早い！何より、身体の使い方が上手い！)…ふっ！』

「お」

ラルドは振り下ろしていた剣の力を抜きダガーに沿って滑らせ距離を取る

『ふぅ…(仕切り直しだな)』

「無理に押し切らず、よく見ている」