翠玉の守護者 (ページ23)

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22話ページ23

円の中ではコネシマと兵長の刃が交わり甲高い金属音を響かせる
縦、横、斜め、斬り上げ、突き、いくつもの攻撃を仕掛けるが最低限の動きと滑る様に動かすダガーに思う様に攻め込めないコネシマ

『っ…やはり長さ故に次の攻撃の対応が素早い』

ラルドの言葉通りコンパクトに動かせるダガーナイフにとって長さのあるコネシマの剣は相性が良かった
コネシマの剣は切り裂くと言うより叩き斬ると言った力での攻撃、これに兵長はコネシマの剣を受ける時微かに重心を刃に滑らせる様に動かす為、重さを感じずに受け流す事が出来る
更に次の動作に移る時短い分素早く動ける
それにより、ひたすら剣を振るうコネシマに兵長は余裕を持って対応していた

「くっ！…(くっそ！俺の剣をこんなに受けてたら疲れるはずやろ！？)んの！」

剣とダガーが交わった瞬間、コネシマは力強く相手を押し距離を取る

「はぁっ」

「もう終わりか？」

「んなアホな！まだ終わっとらんわ！(どーする…このまま突っ込んでもさっきとおんなじや…なんとかせぇへんと…)」

距離を置いた為このままではジリ貧だと分かるコネシマは何か策は無いかと考える

「…(俺から攻撃しても受け流されるだけや…剣を受ける時、真っ直ぐやなくて微妙に斜めにしとるから重心を流す事が出来るんやな、って事は)…これはいける！」

何かを閃いたコネシマは剣を構え走り出した

「また、同じか」

兵長の言葉通り正面から突っ込むコネシマは剣を上に持ち上げ振り下ろす、その攻撃を右に避ける相手に追いかける様に下から右上に斬り上げる

「っ！？」

「おらぁ！」

それに先程の様にダガーで受け流そうと剣を受けた兵長は目を見開く
力で押し次の攻撃に移っていた先程とは違い、交わった瞬間更に一歩前へ踏み出した事で兵長とコネシマの距離が近くなる
近くなった事でダガーは刃を滑り鍔で止まった、するとコネシマは円を描く様に手首を回し兵長の手からダガーを飛ばし首へ剣を当てる

「…参った」

「！」

「近接戦闘試験、終了だ」

「よっしゃあ！！」

数秒止まった後、兵長は試験終了を告げる
確かな手応えを感じたコネシマは首から剣を離しガッツポーズをし、円から出るとラルドの下へ向かう

「ラルド、終わったで！」

『あぁ、見ていたぞ途中どうなるかと思ったが上手くいって良かったな』

「ホンマやで」

「次の者を呼ぶ！ラルド、四の円に入れ！」

『ん、私か…』

名前を呼ばれたラルドは相手となる兵長を見る