翠玉の守護者 (ページ22)

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21話近接戦闘試験ページ22

各々が武器を手に取った事を確認した試験官の声が広場に響く

「それぞれ武器は持ったな！では試験を行うにあたって注意事項をいくつか…まず、兵長達からは攻撃はしない！だが、反撃はする様言ってある為舐めてかかると怪我をするぞ…2つ目、危険な攻撃はしない様に、万が一の時は俺が止める…3つ目、人数が多い為審査は相手をした兵長達それぞれが付ける、終わった者は速やかに円から出る様に…では、始めの5人を呼ぶ！」

呼ばれた5人はそれぞれ円の中に入り目の前にいる兵長へ相対する

『始まったな…』

「そーやな！腕が鳴るわ！」

「始め！！」

試験官の声と共に武器同士が交わる金属音が鳴り出す

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名前が呼ばれ順調に試験を受けていく面々

「次！コネシマ、一の円に入れ！」

「お！俺が先か！」

『みたいだな、頑張れよ』

「まかせとけ！こんなんチャチャっと終わらせたるわ！」

名前を呼ばれたコネシマはやっと試験が受けられるとあって目を輝かせ前へ進む
そんな彼にラルドは声援を送ると肩越しに顔を向け力こぶを作ったコネシマはニカッと笑い円の中へ入って行った

『手に馴染んでいる武器を使うとは言え、相手はダガーナイフ…長さ的に懐に入られると不利だ…気合い入れろよコネシマ』

円の中、相手となる兵長の前に立ったコネシマは己の武器を手に１つ深呼吸をする

「す～…ふ～…よっしゃ！」

「準備はいいか？」

「おん！ばっちりやで！」

「では……近接戦闘試験始め！」

それぞれ円に入っている者達の準備が整った事を確認した試験官は開始を告げた

「いっくでぇ！！」

「…正面から来るか」

両手で持った剣を斜め下に構えたまま兵長へ走り出すコネシマ
間合いに入った相手に左から右上へ斬り上げるが、兵長は一歩後ろへ下がった事で避ける
コネシマは開いた距離を詰め今度は横一文字に剣を薙ぎ払うが、屈まれ当たらない
続け様に屈んでいる兵長へ振り下ろすも膝のバネを使い右に避けられた

「…そろそろ反撃に移る」

そう言った兵長は右手に持ったダガーをコネシマの顔へ突く

「うお！？」

慌てて左に頭を傾けたお陰か頬に浅く線が出来る程度の傷を作る
ダガーを引き続けて攻撃しようとする相手に下ろしていた剣を先程と同じく右へ斬り上げ、身体に寄せた剣を突き出した
兵長は一旦距離を取る

「反射神経は高い…だが、攻撃が単純過ぎる為読みやすい」

「くっそぉ、まだ終わってへんで！」

コネシマは声を上げながら走り出す