翠玉の守護者 (ページ20)

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19話水魚の交わりページ20

『(先程の少年は大丈夫だろうか…)』

口論していた少年を思いながらも足は城へと向かっており徐々に遠目に見えていた門が見える
左右には門番をしている軍人が立っていた

『軍人採用試験を受けに来たのだが』

「志願兵か…では、入国する際に貰った紙を見せろ」

ラルドは片方の門番に話し掛け言われた様に貰った紙を渡す

「……偽物ではないな…よし、入城を認める。試験場へは入ると張り紙があるからそれを見るように」

『…』

門番から言われそれに頷き城へ入る

『張り紙、これか』

見つけた張り紙には現在地と書かれた赤点と目的地と思われる場所に赤く円が書かれている、それを繋げる様に道順が引いていた

『…(この道の角を左に曲がって直ぐか)案外近いな』

「お、なんやお前も受けるんか？」

『ん？』

「ん？」

道を確認し試験場に向かおうとした時、後ろから声を掛けられた
ラルドが振り向くとそこには赤と黒の半袖、半ズボンを履いている男が1人

『…』

「…あ！いやぁ～急にすんません！いやね、僕も試験受けに来まして、もし良かったら一緒に行けたらなぁ～と思ってね」

『一緒に行くのは構わないが…』

「あ、ホンマ？なら行こ！俺コネシマ言うねん」

『あ、あぁ…コネシマだな私はラルドだ、よろしく』

「よろしく！さ、行こか！」

新しく出会ったのは同じ志願兵のコネシマ
見た所ヒューマ族だと思うがラルドは何故か同族の匂いを感じた

「どんな事すんやろなぁ～楽しみやな！」

『…コネシマは騒g(ゴホン …元気だな』

「ん？今騒がしいって言『てない、ほら行くぞ』なんか流された様な気するわ」

話し合いながら試験場へと向かう2人
これから軍人採用試験を受けると言うのにその足取りは軽い

『ここが試験場だ』

「ほー！流石大国、色んな種族が集まっとるで！」

『確かに、こんなに志願兵が居るとは…』

城壁内には軍人を目指す者達で溢れていた

『迷う事も無いが無事着いたな、ではお互い頑張ろう』

周りの志願兵達を見て、お互いの健闘を祈るラルドをコネシマが引き止める

「まてまて！何かの縁や、このまま一緒に受けようや」

『それは構わないが…』

「よし！なら向こう行こか」

『ふふ、あぁ』

他愛の無い会話をするラルドとコネシマ
突如、試験場に声が響く

「静まれ！…これより軍人採用試験を始める！人数が多い為、何組かに分けて試験を行う！」

『始まったな』

「おう…やっぱエエ女が近くに居るとやる気出るわ」