翠玉の守護者 (ページ19)

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18話ページ19

side？？

「大体な子供がこんな所でウロチョロする方が悪いんだよ」

「子供ちゃうわ！！」

こいつ俺の事子供扱いして、とっくに成人済みや！
と言っても入国して直ぐに問題起こすのはアカン…けど、こいつに財布すられたんは事実…どーするか…

「お前、ええ加減にせえよ」

「なんだ？やるか？」

ニヤニヤしてうざいわ

「おら、来いよ相手しt『大人気ない事をするな』

男の後ろから現れたのは獣人族の女の子
その子は男の腕の1本を掴んだ

「んだ、お前？離せよ」

『この手の中にあるのを彼に返せば離す』

「っ！？いいから離せ！」

『強情な…』

そう言って彼女は掴んでいる腕を捻る

「いっでででで！！」

「俺の財布！」

捻られた痛みからか、男の手からこぼれたのは俺の財布だった
こいつやっぱ、取ってたやん

「いってぇ」

『彼の物を取ろうとしたからだ』

財布を落としてから離したのか男は残った腕で捻られた腕を押さえている

「…小娘が舐めやがって！！」

逆上した男が彼女に殴りかかった

『…少年、下がっていろ』

「っな！？」

彼女はルドゥガー族特有の4本腕を掻い潜り男の膝裏を蹴る
それにより体勢を崩された男の頭に踵落としを一発
…その無駄のない動きに目を奪われる

「…」

男は立ち上がる事なく倒れていた
ゴリゴリに筋肉がある訳でも無いのに何処から出てくるんや、あの力

『怪我はないか？』

「…お、おん！なんともないで」

『そうか、良かった』

俺の返事を聞いた彼女はふわりと笑う
…ええな

『兎に角、次こんな事が起こらない様に軍に引き渡した方がいいぞ？』

「…」

出会いはこんなんやけど、こう言うのもありやな

『少年？』

「…」

この後何やかんやでお茶する流れになって…アカン！俺、軍人採用試験受けるんやった
くっそぉ…タイミング悪いわ

『おい少年、聞いているか？』

「！な、なんや」

『だから、こいつを軍に引き渡すか？』

「へ？……あ、あぁ！俺が引き渡すわ」

何やってんねん俺！
女の子との会話やぞ！！

『そうか、なら任せよう私はこの後用があるからここで失礼する』

「え！」

『ん？』

「あ、いや！何もあらへん！」

『？…では』

「お、おん…ありがとうな！」

背を向け歩き出した彼女にお礼を言うと肩越しに微笑まれた
…ええな

「…って、何やっとんねん俺ぇえ！！絶好のチャンスやったんにぃい！！」

道行く方々に奇異の目で見られるがそんなん知らんわ！！