翠玉の守護者 (ページ16)

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15話ページ16

「はぁ…兎に角、その弓矢を持って行く事は出来る…が、我々国に入る際審査を受けるがな」

『まぁ、妥当だな』

「何か質問はあるか？」

『…此方で用意する物は？』

「そうだな…個人によって変わるが武器のメンテナンスに使う道具や必要な私物ぐらいだな」

『…そうか、分かったありがとう』

ひとらんから話を聞き頭の中で必要な物をピックアップするラルドは整理が付いたのかお礼を言う
そしてひと段落ついた所でもう一度懐中時計を見るひとらんはグルッペンへ声を掛けた

「さて、俺達もそろそろ戻らないとやばい」

「ん？もう少し話してもいいだろ？」

「トン氏に勝手に抜けた事バレるぞ」

「っ！？今すぐ帰るぞ！」

『？』

何やら"トン氏"と言う人物に無断で来たしまったらしい2人、グルッペンは特に慌てた様子だ
確かに総統ともあろう方の姿が見えなければ軍は慌てるだろう…だが、何故トップであるグルッペンが慌てるのかラルドには分からなかった

『急いでいる様だな』

「あぁ」

『村からモウムを呼ぶか？』

「いや、馬車で来たから問題ない」

『なら早く行った方がいい、もう日は昇ってる』

「そうさせて貰うよ」

「ひとらん急げ！」

森の出口には確かにがたいのいい二体一対の馬の様な生き物が馬車を引いていた
ひとらんは手綱を引き、グルッペンは後ろにあるキャリッジへと乗り込む

『アルヴァクとアルヴィズが引いているなら国へ着くのも早いだろう』

「まぁな、次会うのは“軍人になったら”か？」

『“軍人になってから”だ』

「ははっそうだな、それと以前言いたかったんだが俺の事はひとらんでいいぞ」

「あぁ、分かったまたなひとらん」

「おう」

ひとらんとの会話が終わり後ろに居るグルッペンの方へと向かう

「国で待っている」

『…必ず貴方の下へ』

「ふっ…良い心がけだ、ひとらん出せ」

グルッペンの一言で後ろに下がるラルド
出しても問題無いと分かったひとらんは2匹に繋がっている綱を振るった
昇る太陽に向かって走り出す馬車を見送りながらラルドは己の使命を果たす事を誓った

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アルヴァク
アルヴィズと二体一対の生き物
足に赤い炎を灯している

アルヴィズ
アルヴァクと二体一対の生き物
足に青い炎を灯している

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物語の雰囲気を壊さない様に「」の前に誰が喋っているかの表記をしてないんですけど読みにくい場合は教えて下さい