翠玉の守護者 (ページ15)

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14話ページ15

目の前の光景にラルドはふと予言の事を思い出す

太陽昇る国より黄金に輝く牡丹連れて参る

『…そうか』

「ん？」

『いえ…』

今まではどの様な意味か分からなかった予言だが太陽に照らされるグルッペンを見た事で理解する
前に居る2人が薊であり牡丹なのだと

「して、返事は？」

『……私の様な者で良ければ』

「フッ、決まりだ」

『！』

返事と共に差し出された手に己の手を乗せる
グルッペンはしっかりと繋がれた手を引きながら立ち上がった、それに連れられる様にラルドも立ち上がる

「…しかし、良かったのか？お前はこの森の守護者なんだろ？」

「ん？そうなのか？」

『えぇ、私はこのイーアルの森を守る守護者です』

「それなら我々国に行くのは無理じゃないか？」

「それはダメだ！ラルドは我が国の軍人だ！」

「お前ね…」

そう言えばとひとらんはラルドが自己紹介をした時の事を思い出し尋ねる
予想通りラルドは森を守る役目があると言う
それに駄々を捏ねるのは我らが総統、グルッペンだ

「ラルドも軍人になると言っている！絶対我々国に連れてくぞ！」

「はぁ…」

『…心配せずとも私は行きます』

「おお！！」

「いいのか？」

『あぁ、この森には古くから生きとし生けるもの全ては生まれた瞬間から使命を持つと言われている…』

「ほぉ」

『生まれた夜に1番輝いている星から10の歳になった時、己の使命へと繋がる予言を星の声を聴くことが出来る森の翁から伝えられ、生涯をかけてでも与えられた使命を探しそれを成し遂げる事が我等イーアルの森の民にとっての名誉だ…だから守護者であろうと使命を探す為なら森から離れる事も許される』

「はぁ～なんか凄いな」

ラルドからイーアルの森のあり方を話して貰い、森を出る事が出来ると知る

「まぁ、兎に角時間も無い事だし詳しく話すがいいか？」

『大丈夫だ、話してくれて構わない』

ひとらんは空を見上げ懐から懐中時計を取り出し時間を確認した後、ラルドに向き直り話し出す

「まず、軍人になる為の採用試験を受けて貰う。日にちは3日後、我々国の城壁内にある訓練所で行う。その際、己の武器がある者は持ち込む事が許可されている」

『ん、いいのか？』

「あぁ、じ「自分の武器の方が慣れているし勝算があるだろう！国で用意した武器では合う合わないがあるからな！」…お前」