翠玉の守護者 (ページ11)

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10話ページ11

ひとらんがイーアルの森を出てから数日経ったある日

「翠玉様ぁ～！」

『ん？どうした』

「あのね、翁が呼んでるの！」

『翁が？何の用事か聞いているか？』

「ううん、大事な話があるから翠玉様を呼んでこいって」

『そうか…分かった、ありがとな』

「うん！」

女の子は翁がラルドを呼んでいると言ってきた
この翁という人物、正確には森の翁と言われ翁は星から与えられる使命を聴く事が出来る
普段はイーアルの森の更に奥に住んでいるのだが一体何の用でラルドを呼んだのか…

『…』

翁の住む場所は鬱蒼としており背の高い木々が蓋をする様に伸びている為太陽の光が殆ど差してこない
ひんやりと冷たい風がラルドの肌を撫でる

『森の翁殿、私だ、ラルドだ…貴殿に呼ばれ参った』

静かな森にラルドは声を掛けた
だが、返事は返ってこない
ジッと辺りを見回すラルドの頭に生えている獣の様な耳が小さな音を拾ったのかピクリと動く

ヒュン！

瞬間草むらから三本の矢が放たれた

『…』

ラルドはバク転をしてその場から離れる

「お見事」

矢が飛んで来た方から出て来たのは腰の曲がった獣人族の男性

『ご無沙汰しております森の翁殿…しかし、毎度の事ながら気配を消すのがお上手で』

「ほほほ、そなたには敵わぬ……して、何故呼ばれたか分かるか？」

柔らかな笑みを浮かべラルドの言葉に答える翁、そして問い掛けた

『…』

「そなたの予言じゃ」

『…私の予言ですか？しかし、予言は10の頃に聞いております』

「そう、儂は星からそなたへの使命を伝えた…もう8年前の事か……そなたを呼んだのはアルバランの光が強くなったからだ」

『アルバラン…確か、私が生まれた夜に大きく光っていた星ですよね？』

「あぁ…そなたの運命は回り出した、使命を果たすべく光を追うのだ。だが、白金の光は追ってはならぬ追えば宙(そら)が落ちるだろう」

翁は見えない星を見る様に空へと顔を上げた

「ラルドよ…運命は止まらぬ」

＿＿＿＿

はい、という事でひと段落着きました。
仮出会い(ひとらん編)長くなってしまいましたね…
後、お気付きの方も多いと思いますが会話以外は"ひとらんらん"では無く"ひとらん"と表記しています

白日の始まり手直ししました。
直している時、なんでこーなった？って所結構あって笑っちゃいましたよ笑

多分、少し経ったらまた手直しするんだろうな…