世界は箱庭 (ページ4)

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2話ページ4

学校の中では"弱小サッカー部が名門帝国学園と試合をする"と言う噂で持ちきりだった。
それに従い部員が7人しか居ない為、円堂は部員募集の看板を手に学校内を走り回る。

「サッカーやらないか！？」
「サッカー部なんてまだあったんだ」

「サッカーやらないか！？」
「かっこ悪いよね君達」

「サッカーやらないか！？」
「サッカーなんて軟弱の極み！」

手当たり次第声を掛けても部員探しは難航していた。
気分転換する為にリフティングをする事にした円堂は1人部室の前でボールを操っていた。

「はぁ～…何でみんな断るんだ？」

余談だが円堂が呼び込みに使っている看板には"部員募集"と書かれており、そこが"助っ人募集"であったなら何か変わっていたかも知れない。

「あっ！」

考え事をしながらリフティングをしていたからか、ボールは足をすり抜け校舎の方へと転がっていく。
ボールは誰かの足に当たり止まった。

『ほっと！』

その誰かは足に当たったボールを使いリフティングを始める。まるでボールが生きているかの様な軽やかな足捌きをする人物は、クラスメイトだった。

「雅！」
『やあ、円堂君』

最後に足先で蹴り上げたボールを手に声をかけるA、先程のボール捌きを見ていた円堂は目を輝かせながらAの下へ駆け寄る。

「雅、お前サッカーやってたのか！？」

目を輝かせながらAに詰め寄る円堂、顔が近いがAはいつも通り笑顔を崩さない。

『ふふふ、まぁ…うんやってたよ』
「だよなだよな！そのコントロールは1日2日じゃあ出来ないって！あ、それならサッカーb「おーい雅！先生がお前呼んで来いって」

サッカー部へ誘おうと声をかける途中、Aを呼ぶ声によって中断してしまった。

『先生が？なんだろ、ごめんね円堂君』
「あーまぁ仕方ないさ、明日また言うよ」
『うん、分かった。じゃあ明日ね、練習頑張って』

そう言ってAはボールを円堂に返した後呼びに来てくれた男子生徒と校舎へ入って行く、円堂の胸にはAとサッカーがしたいと言う思いが溢れてきていた。

「よーし！頑張るぞ！」

部員になってくれるかも知れないと希望が出て来たのか、円堂は荷物をまとめボールを持ち鉄塔広場へと駆けて行った。