世界は箱庭 (ページ11)

今日:1 hit、昨日:23 hit、合計:2,848 hit

8話ページ11

鬼道からのボールは寺門のロングシュートにより一直線に円堂に向かう。

「っ！？うわ！！」

鋭いシュートを止める事が出来ず、ボールは円堂と共にゴールに入ってしまった。

「っ！？」
『…』

［帝国、早くも1点！なんと言うスピード！なんと言うパワー！これが全国にその名が轟く帝国サッカーなのか！？雷門イレブン打つ手なし！］

「キャプテン…」
「円堂！」

円堂の身を案じ仲間が集まる。

「くそっ…あんな早い攻撃どうしょうもないよ」
「俺達じゃあ着いていけないでヤンス」
「何言ってんだ！まだ始まったばっかりだぞ！頑張っていこうぜ！」

先程のシュートを目の当たりにした仲間達は自分達じゃあ相手に出来ないと弱音を吐く、そんな彼等を見た円堂は檄を飛ばす。
だが、激しい帝国の攻撃に雷門イレブンはボールを奪う事も出来ずに前半戦を10対0という差をつけ終える事になった。

「みんな…」
「喋る元気すら無いみたい…」

____
「…」
『厳しいね…彼等との実力差があり過ぎる。』
「…」
『それに雷門イレブンには決定的なものが無い』
「…決定的なもの？」
『うん…体力とかも足りないけど1番は必殺技だよ。話によると練習する時間も場所も、教えを請う監督も居ないようだからね』
「…」

雷門イレブンに諦めの雰囲気が漂う。皆のやる気を出させようと円堂が1人で元気付けるが結果は思うように出なかった。
そんな雰囲気の中、後半戦が始まる。

［さぁ、後半戦のスタートです。圧倒的な帝国リード前にどう立ち向かうか雷門イレブン！帝国からのキックオフだ！］

佐久間から寺門にボールが渡り、鬼道に届けられる。

「行くぞ、デスゾーン開始」

鬼道の声を合図に佐久間、寺門、洞面が上がる。3人は蹴り上げられたボールと共に飛び上がり、ボールを中心になる様に回転しながら三角形を作る。すると紫色のオーラが3人を包みボールにエネルギーを注ぎ込む

「「「デスゾーン」」」

放たれた必殺技は真っ直ぐと円堂の居るゴールに向かう。
凄まじい威力のデスゾーンを円堂は止めることが出来ない、他の選手達も帝国のあまりの強さに為す術なく身体をフィールドに横たえる。
唯一、立っているのは円堂のみとなってしまった。

「出て来いよ。出て来い…」

「…」
『目を逸らしちゃ駄目だよ、ちゃんと見て』
「…っ」

「さもなければあの最後の1人、アイツを…」
「叩きのめす！」

鬼道の言葉の続きを言い寺門が円堂に向けシュートを放つ。