世界は箱庭 (ページ18)

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14話ページ18

『ん？木野さん』
「あ、雅君！あれ？部活はどうしたの？」
『先生に書類整理頼まれちゃってね。今から入る所さ…で、後ろの雷門さんは？』
「気にしないでちょうだい。すぐ終わるわ」
『…そっか』

部室前で木野と何故かいる雷門理事長の娘である雷門夏未に出会い、木野と一緒に入る。

「みんな、お客さんよ」
『遅れてごめんよ』

だが、不穏な空気が流れているのに気付き何事かと問う。

『何かあったのかい？』
「あ、いや…ちょっとな」
『…そう』
「ど、どうぞ」

深く聞かずAは壁に寄る。
木野は連れて来た雷門を中に通す。入って来た彼女に驚く面々

「…臭いわ」
「こんな奴なんで連れて来たんだよ」
「話があるって言うから」
「チッ」

苛ついた染岡が木野に聞くとサッカー部に話があると言う。

「帝国学園との練習試合、廃部だけは逃れたわね」
「お、おう！これからはガンガン試合して行くからな！」
「フッ….次の対戦校を決めてあげたわ」
「「「「「！！」」」」」
「次の試合！」

次の試合と聞いて全員の顔色が変わる。

「相手は尾刈斗中、試合は1週間後よ」
「凄いでヤンスね！もう次の試合が決まるなんて！」
「次こそは俺、目立つよ。フフフ」
「やったな円堂！」
「おう！」

はしゃぐ彼等に雷門は

「ただし、今度負けたらサッカー部は直ちに廃部。
もし、勝利すればフットボールフロンティアへの参加を認めましょう。精々頑張ることね」

言いたい事を言い終わり雷門夏未は立ち去ってしまった。
だが、今度の試合に勝てば中学サッカー、日本一を決める大会に出場出来ると聞き部員達はやる気を出す。

「フットボールフロンティアに出られるのか…」
「俺！盛り上がって来たでヤンスよ！」
「部員7人の頃じゃあ考えられなかったもんな」
「喜ぶのはまだ早い、俺達は今度の試合に勝たなきゃいけないんだぞ」

喜ぶ皆に注意する染岡
そんな染岡の肩に手を当て話し掛けるA

『まぁまぁ、目標を掲げるのは良い事だよ。それにやる気も出るしさ』
「…」

Aの言葉に顔をしかめる染岡は肩にある手を払い1人部室を出てしまう。

『あら…』
「A大丈夫か？」
『ん…平気だよ。次でフットボールフロンティアに出場出来るか出来ないか決まるからね、ピリピリしちゃうのもしょうがないよ』
「そうか…皆！この一戦絶対負けられないぞ！練習やろうぜ！！」

なんとも言えない雰囲気を無くそうと皆に声をかけ練習する為部室を出た。