20.妖怪絵巻2号 ページ21
莉芳「まさかお前の代償も子供のまま歳をとらないとは」
頬に触れながら言う莉芳の手を叩く。
弑揺「気安く触んなよ」
朝が弱い弑揺にとって朝っぱらからこんな面倒そうな話を聞かされイライラしている。
莉芳「行動が一緒だな、まるで双子だ」
弑揺「そうかもね。僕もそう思うよ...でも僕と信乃は従兄弟同士。母親が姉妹なのが原因じゃない?」
莉芳「そうか姉妹か...どっちが姉だ?」
弑揺「.........それ今聞くこと?」
莉芳「まぁいいか」
弑揺「おいこら話逸らすなよ、とんだマイペースだなほんと」
莉芳「先程犬塚信乃にも話したが慈雨についてだ。慈雨に関しては誰もまだその正体を知らない。それは村雨も同様に謎に包まれた妖刀だ。
ある者は"神"だと答え、ある者は"妖"だと言い、ある者は"厄災"や"呪い"だと言う。あらゆる魔を裂き、あらゆる妖を平伏させ、地上の形ないもの全てを従えると言う。そして...村雨と慈雨は二つで一つ、その力を発揮するのも一つじゃ無理らしい」
二つで一つ...カラスと黒猫なのに?世の中不思議だね。まぁ...そういうことじゃないんだろうけど。
莉芳「しかし村雨と慈雨を手にした者は力を得る代わりに大きな代償を払う。成長を止めたお前の体もおそらく、最期は寿命を全うするどころか酷い死に様だそうだ。所詮人の身で神を飼うなど烏滸がましいということだろう」
弑揺「...へぇ、それってさ...つまり信乃がとっくに死んでるとでも思ったの?それに僕のことも。今、僕に言ったその言葉そっくりそのまま信乃に言ったんだね...」
莉芳「そうだが」
掌から慈雨を出す。
弑揺「アンタ...サイテーだね」
慈雨「にゃーん...」
弑揺「残念だったね、この通り僕も信乃もピンピンしてるよ」
莉芳を睨む。
弑揺「―――何のために僕らを呼んだの」
その時、扉が開いた。入って来たのは信乃と荘介だ。
信乃「あれ...なんかデジャヴ」
荘介「おはようございます。朝っぱらから妖怪絵巻2号ですか、帝都の三面記事もビックリですね」
弑揺「...それって1号は」
荘介「もちろん信乃です」
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莉芳「お前達の幼馴染みは神家の屋敷にいる。食事が済んだらすぐ向かう」
荘介「信乃、行儀が悪いですよ。寝間着のままで」
信乃「いーよ。どうせ誰も見てないし」
荘介「里見さんがいるでしょう。ただでさえ弑揺は着替えてるのに」
信乃「俺には何にも見えないなぁ」
弑揺「この人の前で気を抜くのはなんかヤダ」
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ルイナ(プロフ) - 八犬伝大好きです!続き楽しみにしてます!この作品のオリキャラももすごく好きです!続きが見れたらいいなと思います!これからも頑張って下さい! (2018年6月23日 23時) (レス) id: 29bcf3ece3 (このIDを非表示/違反報告)
宇津(プロフ) - Teke Raさん» ありがとうございます!頑張りますねー! (2016年9月9日 7時) (レス) id: 5af3d71995 (このIDを非表示/違反報告)
Teke Ra(プロフ) - 私は八犬伝が好きです!要や現八や毛野さんが好きで出来たら絡ませてほしいです!更新楽しみにしてますね!!! (2016年9月9日 1時) (レス) id: 8e388015a4 (このIDを非表示/違反報告)
宇津(プロフ) - ミスウェル・ブラッティーネさん» コメントありがとうございます!更新頑張ります! (2016年8月7日 11時) (レス) id: 5af3d71995 (このIDを非表示/違反報告)
ミスウェル・ブラッティーネ - 初めまして。続き楽しみにしてます。頑張ってください! (2016年8月7日 11時) (レス) id: 77869ffd6c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:宇津 | 作成日時:2016年7月13日 1時