【八犬伝-東方八犬異聞-】雨が降り続けても止んだら空が見える

12．黒マリモが侵入しようとする！！ ページ13

信乃「はぁはぁ...叫び疲れた」

弑揺「...僕も......早く帰ろう？」

2人は教会を目指して帰った。



森の奥で目を光らせる者がいた。

「アレが大塚村の生き残り？しかも2人いる」

「妙じゃな、奇妙じゃ」

「たかが人の子じゃろう」

「しない。しない。人の匂いが」

「何故？」

「あれは我らと同じ―――」

「そう」

水面が波紋を作った。

「我らと同じ匂いがする―――」

・

信乃/弑揺「たーだいまー」

弑揺「はぁー、もう最悪」

信乃「いやー、急に降ってきたよなー。...ってナニ？」

荘介「.........いえ、ずいぶん遅かったですね。また森の方に？」

信乃と弑揺はギクッとなる。

信乃「あ...いや、暑かったし！！沼でちょっと泳いでただけだし！！」

弑揺「そうそう！信乃の言う通り！」

荘介「.........沼で、ねぇ......。とりあえず信乃と弑揺はバスルームへ。お客様の方は俺が何とかしておきます」

信乃「ハ？客？」

荘介「お友達じゃないんですか？ずいぶん熱心な様ですから」

弑揺「何のこと？」

荘介「ああでも信乃と弑揺から一言何か言って下さると助かりますよ。家が壊れます」

信乃/弑揺「へ？」

荘介が指差す方向を見てみる。

よくわからないモノが窓を壊そうとしていた。

信乃/弑揺「！？！？！？！？」

荘介「窓枠とガラス代支払ってくれますかねえ、あの方」

村雨と慈雨は何かつついていた。

浜路「あら？なあに村雨、慈雨。ドライヤー？」

荘介「ずいぶん変わった友人をお持ちで...」

信乃「友人じゃねえ！！」

弑揺「あんなのが友人なんて嫌だよ！？」

浜路「ハイハイどいてー」

後ろから浜路がドライヤーを手に持ってやって来た。ドライヤーのスイッチを入れよくわからないモノにかけたら小さくなった。

信乃「あ！！コイツさっきの！！」

弑揺「黒マリモ！！何でここに！？」

荘介「やっぱり知り合いなんじゃないですか」

信乃「俺ちゃんと捨てたのに...」

浜路「村雨と慈雨が言うには―――水をかけると」

そう言ったのに浜路がかけたのは熱湯で。じゅわっと音がした。

浜路「ね♡」

黒マリモは大きさが変わった。

信乃/弑揺(あとで捨ててこよう...)

とりあえず今は瓶に封印っと。




信乃「召喚状？荘介はともかく何で俺と弑揺に？」

「判りません。けれど書類は本物。
"犬塚信乃
犬鳴弑揺
犬川荘介
三名への召喚を命ずる"」

弑揺「んなモン無視だよ無視」

「それはできません。すでに迎えの者が来ている様なので...」

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