18 side.JM ページ19
ヒュリは､いつも何かを隠していた｡
同じ練習生として過ごしてきた日々の彼女とは､少し違った｡
人見知りなのは知っていた｡
誰かと話すことには話すけれど､歌っている方が何倍も楽しそうだった｡
デビューを一緒にすることになって､彼女は少し変わった｡
歌っているときよりも､踊っている時の方が楽しそうに見える｡
むしろレコーディングなんかは､辛そうにさえ見えた｡
だけど､ステージに立って歌えば､前の彼女よりも艶のある伸びのいい声が出た｡
テレビでは無理をしてたくさん絡んでくれようとする彼女｡
無理しなくていいと言ったら､彼女はお礼を言いながら寂しそうな顔もした｡
彼女との関係は､これから続いていく時間が解決してくれるだろう｡
実際､俺の中で彼女はすっかり可愛いマンネになった｡
可愛くない時なんて無いくらいだ｡
たまに見せる甘える姿がたまらなく愛おしい｡
美味しそうに夜食を頬張る彼女は､自分だけの特権だ｡
エギや〜と呼ぶと､ほんの少しだけ嬉しそうにする彼女｡
猫可愛がりしすぎると､やめて欲しそうに見つめてくる｡
スマホのフォルダーには､色んなコレクションがあるが､どれもメンバー内でしか流通していない｡
SNSに上げるのは､何となく惜しい気がして｡
大人になっていく彼女を見ていると､
娘の成長を間近で見ているような気分になってしまう｡
抱き付くと､抵抗はされるが結局容認してくれる｡
それが嬉しくて､隙あらばハグを求めている｡
可愛らしい衣装に着替えて現れた彼女は､初めての格好に照れているのか不自然だった｡
――――なんだか､変だ｡
彼女にしては､ダンスが甘い｡
声も伸びていない｡
いつもとは違う彼女の衣装に､ファンは喜んだ｡
彼女は､どうしたんだろう｡
いつもと違うから､大変なんだろうか｡
ステージ終わりに､彼女は言った｡
それは､本来甘美であるべきものなのだろうが
あまりにも味気なかった｡
何故なのかは分からない｡
呼んでほしいと懇願していたものとは､
なんだかかけ離れていたのだ｡
―――ジェミニオッパ
だけど､彼女は彼女だ｡
可愛いマンネであることに変わりない｡
だから､いつものように返した｡
―――ジェミニヒョン
そう呼んでくれた彼女の声が､ひどく恋しくなった｡
彼女は彼女で､ただ呼び方が変わっただけなのに｡
ステージ前にいた彼女が､消えてしまったような気がした｡
目の前には､笑顔の彼女がいるのに｡
愛らしいヒュリが､いるのに｡
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su4a54fpds(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです。 (2020年7月18日 0時) (
レス) id: 93a8daf531 (このIDを非表示/違反報告)
ココ(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです！！！！ (2019年11月8日 7時) (レス) id: 034759dbd3 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - ぱーむむさん» ありがとうございます！！雑な終わり方で申し訳なかったです…！続きは内容を考えてみますね！近いうちにどっちかが上がると思いますので､楽しみにしていただけたら嬉しいです！ (2019年9月14日 0時) (レス) id: 396d1f30b5 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - かんめいさん» コメント助かります！！二人の小説は確かに少ないですよね…！個人的にはチソンくんの方が書きやすいので､チソンくんかなぁ…と｡続きは内容を､考えてみます！ (2019年9月14日 0時) (レス) id: 396d1f30b5 (このIDを非表示/違反報告)
ぱーむむ(プロフ) - 毎日更新されるの楽しみにしながら見てました！ このお話の続きも見たいです！ (2019年9月13日 18時) (レス) id: 9e8d1002e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まる | 作成日時：2019年8月15日 4時
