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【よかったんですか､これで】
『…よくなかった､と言えば迷惑をかけるでしょう』
【…あなたには､我々を訴える権利だってある】
『…知ってますか？裁判を起こすのには莫大な費用が掛かるんです｡それに､大事な人たちの場所を壊すようなことはしたくありません』
【…それじゃあ､都合のいい餌のままですよ】
『晴れて自由の身です｡もうあなた方に苦しめられることもないかと思うと､嬉しいですね』
【…そういえば､あなたはそういう性格でしたね｡気の強くて､笑顔の多い明るい子】
『まぁ､ヒュリとは大きく違いましたね｡私は人見知りなんかしない質ですから｡知り合った人とは話倒したいタイプの人間なんです』
【あなたの才能を潰した､自分たちが恨めしいです｡あなたは､踊っても声のぶれない人でした｡音を掴めば､なんだって出来た】
『別れしかない私に､お世辞は必要ないですよ』
【…素直に受け取るということも奪ってしまったようだ】
『…ヒュリは､ちゃんと彼らに馴染めたでしょうか』
【ええ｡あなたのおかげで】
『よかったです｡スマホも､控室に置いてきたので確認のしようがなくて』
【ああ､そうでした｡あなたのスマホです】
彼が､運転席から手を伸ばした｡
その手には新しいスマホ｡
『…餞別ですか？』
【ゲームのデータを移行するのは､チソンくんにバレてしまうかもしれないので出来ませんでしたが…フレンドにくらいはなってもいいでしょう】
スマホを受け取る｡
見慣れたアイコンをタップして開く｡
レベルは驚異の121で､フレンドにはチソンと私｡
ヒュリだった頃の私がいた｡
『え…』
【驚きましたか？あなたのフレンドが手渡されたスマホで】
『…ど､どういうことですか』
【あなたの為に､俺がデータを育成してました｡手放すには惜しいくらいやり込みましたけどね】
『…ありがとうございます』
【偶然あなたがフレンド申請してきたので､いっそあなたの為にしてあげようと思いまして】
小さくて､頼りない繋がりだけど
今の私には､確かなものに思える｡
＊＊＊＊
大田に着き､母の車に乗り換える｡
彼には礼を言って､ヒュリへの伝言も頼んだ｡
「おかえり､A」
『…ただいま､オンマ』
母は､何も言わなかった｡
ただ､笑って話をしてくれた｡
「このまま､お父さんを迎えに行くからね」
『アッパ､仕事終わったの？』
「Aが帰って来るって知って､早めに切り上げたんだって」
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su4a54fpds(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです。 (2020年7月18日 0時) (
レス) id: 93a8daf531 (このIDを非表示/違反報告)
ココ(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです！！！！ (2019年11月8日 7時) (レス) id: 034759dbd3 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - ぱーむむさん» ありがとうございます！！雑な終わり方で申し訳なかったです…！続きは内容を考えてみますね！近いうちにどっちかが上がると思いますので､楽しみにしていただけたら嬉しいです！ (2019年9月14日 0時) (レス) id: 396d1f30b5 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - かんめいさん» コメント助かります！！二人の小説は確かに少ないですよね…！個人的にはチソンくんの方が書きやすいので､チソンくんかなぁ…と｡続きは内容を､考えてみます！ (2019年9月14日 0時) (レス) id: 396d1f30b5 (このIDを非表示/違反報告)
ぱーむむ(プロフ) - 毎日更新されるの楽しみにしながら見てました！ このお話の続きも見たいです！ (2019年9月13日 18時) (レス) id: 9e8d1002e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まる | 作成日時：2019年8月15日 4時
