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私は､多分代用の利く人間としてこの世界に入ったのだと思う｡
ここは､そういう世界だから｡
ヒュリ｡そう呼ばれるたびに､顔に笑顔を貼り付けて振り返る｡
それは泣くことも許されない過酷な場所｡
私は歌が好きで､でもそれだけで終わった｡好きこそものの上手なれとは言うけれど､私の場合は好きで止まったままだ｡人に聞き惚れられるなんてことはなかったし､振り分けられるパート自体も少ない｡そこから分かるのは､私の歌を求める人はいないってことだけ｡悲しいかな､ダンスは人よりも出来るようになってしまった｡女にしては､体力もついた｡しかし､それは私が女として抜きん出ているだけであって､男の中に入れば最低限をクリアしている程度だ｡何とも言えない感情に苛まれたけど､今は何とも思っていない｡
RJ ｢ヒュリやー｣
『はい』
RJ「ほい､これ」
『…ありがとう､ございます』
私は､彼らの中でたった一人の女だ｡紅一点､と言われるその立場は､本来私のものではなかった｡だって､私は彼女の影武者みたいなものだから｡本当なら､本物のヒュリがここにいた｡彼女と私は他人の空似にしては一卵性双生児のようにそっくりだった｡だから､きっとここに立っていられる｡私がヒュリだと信じて疑わないメンバーには申し訳なく思う｡シズニーたちにも､申し訳ない｡
私は､彼女のために事務所に入れられたようなものだ｡彼女が二か月先に事務所にいて､事務所の推したい子だったから､彼女のいない時の代役として非公開で私は育てられた｡それはもう徹底的に､彼女になるように｡
ヒュリという人物が､極度の人見知りだということが唯一の救いだった｡そのおかげで､テレビ以外では無理に頑張らなくていいとメンバーが言ってくれた｡だからこそ､最近はメンバーに慣れてきたふりをして会話を増やしたりしている｡メンバーは名前で呼んでくれるし､私も名前で呼ぶようにしている｡仲のいいDREAMの出来上がりだ｡
『ジェミニヒョン』
JM「ヒュリ､どうしたの？」
『ロンジュニヒョンが､お菓子くれました｡一緒に食べたくて』
JM「アイゴ〜！ウリエギやー！」
私は､彼らをヒョンと呼んでいる｡オッパと呼ぶのは､本物のヒュリの特権だと思うから｡彼らにいくら強要されても頑なに断った｡ただ､今はもうDREAMから卒業したマークヒョンには､たまにオッパ呼びしている｡彼は､少しだけ知っているかもしれないから｡
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su4a54fpds(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです。 (2020年7月18日 0時) (
レス) id: 93a8daf531 (このIDを非表示/違反報告)
ココ(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです！！！！ (2019年11月8日 7時) (レス) id: 034759dbd3 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - ぱーむむさん» ありがとうございます！！雑な終わり方で申し訳なかったです…！続きは内容を考えてみますね！近いうちにどっちかが上がると思いますので､楽しみにしていただけたら嬉しいです！ (2019年9月14日 0時) (レス) id: 396d1f30b5 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - かんめいさん» コメント助かります！！二人の小説は確かに少ないですよね…！個人的にはチソンくんの方が書きやすいので､チソンくんかなぁ…と｡続きは内容を､考えてみます！ (2019年9月14日 0時) (レス) id: 396d1f30b5 (このIDを非表示/違反報告)
ぱーむむ(プロフ) - 毎日更新されるの楽しみにしながら見てました！ このお話の続きも見たいです！ (2019年9月13日 18時) (レス) id: 9e8d1002e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まる | 作成日時：2019年8月15日 4時
