43 side.JS ページ44
目の前で踊る彼女は､自分たちも見たことのない大人の表情をした子だった｡
つん､と澄ましたような顔で目を流す｡
恥じらうようなハニカミが､時折零れる｡
自分たちの視線は､彼女に釘付けだった｡
遠くに行こうとしている彼女の背中を､ただ黙って見ているような気がして､急いで瞬きをする｡
意識を覚醒させた後でも､またすぐに彼女に魅入ってしまう｡
音楽が終わり､彼女はやりきったという顔で笑った｡
メアリーたちに囲まれて､英語で話す彼女は…もう自分たちを必要としていない気がした｡
【＊＊＊！こっちに…―――】
先生が､彼女を呼びつけたようだ｡
でも､頭が真っ白だった｡
目の前が僅かに揺らめいている｡
『……の､―――あの､』
彼女がこっちを見ている｡
眉を下げて､困った顔をしている｡
『あの…チソンア…？』
久しぶりに聞いた彼女の声｡
一度瞬きをしただけで､視界がさらにぼやける｡
頬に何かが伝っているのに気づいたのは､彼女の手が伸びてきたからだった｡
―――チソンア､泣いてるの？
彼女の手が優しく頬を拭った時､自分はただ彼女の存在を確実にしたかった｡
小さくて華奢な肩に顔を埋めて泣いた｡
細い腰に手をまわして､絶対に離してやるものかと｡
『っチ…チソンア…？どうしたの､なんで泣いてるの？』
彼女の言葉を聞くたびに､涙は止めどなく溢れた｡
ヒュリとして接してきた彼女の言葉とは違うのに､その全てが懐かしくて愛おしい｡
『…チソンア…あの､見つけてくれてありがとう…センターにならなかったら､帽子を取るつもりは無かったし…皆を一目見るだけで終わらせようと思ってたから…その…』
JS「A…おれ､寂しかったよ…会いたかったんだよ…っ」
同い年の女の子にとんでもない醜態を晒しながら､情けない声で拙い言葉を紡いでいる｡
『…うん､わたしも…』
彼女の声が震えて､俺の胸元に顔が押し付けられた｡
えぐえぐと互いに泣きながら､服を濡らしてしまう｡
JS「…う〜」
散々泣いて､顔を上げづらい｡
周りを無視して､とんでもない行動に出たことが今更恥ずかしい｡
『ちそんあ』
彼女も同じようで､胸元に顔を押し付けたままくぐもった声で名前を呼ぶ｡
JS「なぁに」
『…ゲームのレベル上げ､捗ってないみたいだね｡まだ､104だもんね』
彼女の言葉に思わず顔を上げる｡
JS「なんで…知って…」
『…へへ､どうしてだろうね？』
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su4a54fpds(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです。 (2020年7月18日 0時) (
レス) id: 93a8daf531 (このIDを非表示/違反報告)
ココ(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです！！！！ (2019年11月8日 7時) (レス) id: 034759dbd3 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - ぱーむむさん» ありがとうございます！！雑な終わり方で申し訳なかったです…！続きは内容を考えてみますね！近いうちにどっちかが上がると思いますので､楽しみにしていただけたら嬉しいです！ (2019年9月14日 0時) (レス) id: 396d1f30b5 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - かんめいさん» コメント助かります！！二人の小説は確かに少ないですよね…！個人的にはチソンくんの方が書きやすいので､チソンくんかなぁ…と｡続きは内容を､考えてみます！ (2019年9月14日 0時) (レス) id: 396d1f30b5 (このIDを非表示/違反報告)
ぱーむむ(プロフ) - 毎日更新されるの楽しみにしながら見てました！ このお話の続きも見たいです！ (2019年9月13日 18時) (レス) id: 9e8d1002e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まる | 作成日時：2019年8月15日 4時
