たとえ季節が移り変わっても。

崇め讃えよ/kwmr ページ41

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　私は、生まれて初めて現実世界に神が具現化されたように尊い人を見つけた。彼の名前は河村拓哉さん。初めて出会ったのは私がQuizKnockに加入した時だった。今でもあの時の驚きは忘れられそうにない。まさかあんなに素晴らしい人がいるとは。

「Aさん、ぼーっとしていないで早く進めましょう」

　おっと、私はまた自分の世界に入っていたようだ。河村さんに注意されてしまった。そろそろこの癖を直したほうがいいかもしれないが、私のこれは幼少期からのものなので今更直せないだろう。

「申し訳ないです、今取り掛かりますね」

　どうしても彼の前で話すと言葉が改まってしまう。伊沢さんの前ではこんなにガチガチに固めた敬語ではないのだが。やはり私の中では河村さんは敬うべき存在として、もう固定概念があるのだろう。

「……そろそろ入ってきて時期がたちましたし、そのガチガチの敬語やめませんか？ 」

　なんと、彼は私にそんな提案をしてきた。別にこのままでもなんら問題はないはずだが。

「別にこのままでもいいのでは？」
「いや、僕だけそんな話し方されたら距離感感じますよ」

　彼は素晴らしい人で、私は彼をとても尊敬している。だからこそこの話し方で接していたのだ。

「私はあなたを尊敬しています。あなたのように素晴らしい人に失礼がある発言はしたくないのです」

　そう言うと、河村さんは何処か悲しげな表情になる。そんな表情でも彼は何処か神秘的な雰囲気を持っているのだから神といっても過言ではないだろう。

「僕、Aさんには尊敬してもらうより、ひとりの男性として見てほしいですね」
「河村さんは男の人では？ 」

　私が疑問形で話すと、彼は少し笑った。

「まあ、意味は後々理解してもらいますよ。とりあえず、その固めた敬語はナシです」

彼に半ば命令のように言われ、私は彼に従う他なかった。

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