たとえ季節が移り変わっても。

厄介な男/tmr ○リクエスト ページ15

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　私はこの目の前にいる男について悩んでいた。この男は、私に優しく語りかけたかと思うと、次の瞬間には絶対零度のような瞳でこちらを見つめてくるのだ。情緒不安定どころの話ではない。

「何、俺に用でもあるの？ 」

　今日は機嫌がよろしくない日だったようだ。

　それでも恋というのは難解で、彼がいくら冷たくしても、彼の本質は優しいのを知っている。離れることができなかった。それに、冷たいといっても暴言を吐かれるわけではないし。

「やっぱり私のこと嫌い？ 」

　疑問であった。彼は基本誰にでも優しいのだが、何故か私にだけは冷たいときがある。

　これで本人の口から嫌いという単語が出てきた場合は、きっぱり関わりを断つ気である。

「いや、好きだけど」
　心底驚いた様子で話す田村さん。私的には彼の答えが驚愕でしかないが。私のことを好意的に見てくれているのなら、何故私に冷たくするのだろう。

　その疑問をわかっていたかのように彼は話し始めた。

「俺がいくら冷たくしても、俺のところにしかこないじゃん。それが嬉しくって」

　それが当たり前であるかのように話すこの男は、やはりとんでもない男である。まあ、そんなことを言われても私は彼のことを好いているのだが。

　私は、とんでもない男に目をつけられてしまったな、と一人笑った。

含羞の色が/izw ○リクエスト→←.

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