もう、辞めます。2【青葉城西】 (ページ1)

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42話ページ1

「ふぃ～…。着いた…。」

私は光太郎から降ろしてもらってスタッと着地する。
加奈は相当息切れしているみたいだ。

その時だった。

プルルルル、という音が鳴り響く。
あ、私か。

「はい、もしもし。」

すると、あの人の声が聞こえて来た。

「Aチャン？黒尾だけど」

アホだろあの人。お前の家族全員黒尾だよ。
まあ、別にそこまで悪い人ではないけど、さ。

「貴方の家族全員黒尾ですけどどちら様ですか」

すると加奈が私の黒尾、という言葉に反応する。
てか京治どこ行った？ま、いっか。

「Aチャン誰だか分かってる癖に～」

スマホの向こうの声は星マークが付きそうな程に気持ち悪い。
悪い人じゃ…ないんだけど…ね…？

「用が無いんなら切りますよ」

すると黒尾は慌てている…筈だ。向こうのドタバタしている感じから。
そうだ、お風呂どうしよう。露天風呂の方に入ろうかな。

「ホラ、ウチってマネージャーいないでしょ？」

まあ、確かにそうだよね。90%位この人の所為だと思うんだけどね。

「やれと」

つまり、この人はマネージャーをやってくれないかと言っているんだろう。
まあ、別に良いんだけどさ。梟谷ってマネージャー2人も居るし。

「そういう事。多分リエーフとか夜久のやる気も上がるだろうし」

なるほど。結構真剣に考えてたんだ。それなら協力してあげない事も無い。
すると、いきなり声が変わる。

「もしもし…A…？多分、1番やる気上がるのクロだよ…。やらなくても良いんだよ？Aが嫌なら…」

研磨か。話し方が大人しいしね。
研磨がそんな事を言うんなら、やってしまおう。何とかなる。

「いいよ、やるやる。研磨達も大変でしょ？」

すると、研磨の声色が少し高くなる。

「本当…？ありがとう…！じゃあ、切るね…クロが煩いし…。またね」

その言葉を最後に、電話はプツっと切れてしまった。