127/TH ページ27
☆
「Aは…練習生時代からの友達なんです。かれこれ6年くらいの付き合いで…彼女は当時から凄い頑張り屋さんで、言葉が通じない異国の地で、誰よりも頑張っていて…あ、もちろん！もちろんです！俺も頑張ってましたよ！でもAは…、なんて言うのかな…誰よりも早く練習室に行って、誰よりも遅く帰るんです、毎回。うん…そう毎回。はい、そうですよ、すごいですよね？すごい頑張り屋さんで…尊敬してる部分もたくさんありましたし、それは今もあります。で…俺の方が先にデビューが決まって、そこから忙しくなっちゃって、会わない日が続きました」
コメントを目で追いながら時々相槌も打って、たまに寝返りをうちながらも、ゆっくりゆっくり話していく。中にはAの話なんて聞きたくない〜って言う子も時々いて。
「…すみません、Aの話なんてしないでって方もいるみたいですけど…そうですよね、すみません。でも、聞いてくれたら嬉しいです」
中には嫌だと思っていながらそうコメントしない子もいるだろうし、みんながどんな気持ちで聞いてくれてるかはわからない。それでもどうか知って欲しい、好きにはなれなくても、せめて嫌わないで。
「知ってる人もいるかと思いますが、俺は元々非公開練習生だったんです。そう、非公開…で、なんて言えばいいのか…今となっては不思議なんですけど、とにかくその当時はそれにすごく不安を抱えていたし、孤独を感じていました。まあ色々あったんですが…デビューを控えてナーバスになってたのかもしれません。実は…辞めたいと思ったこともあって…、でも」
でも。
今の俺はここにいる。
「弱気になってた俺を、諭して、導いてくれたのがAでした」
大切で、かけがえのないarmyのみんな。みんなにだって、Aのおかげで巡り会えたんだ、きっと。
「うん、それで…だから…えっと…」
時刻はもう夜更け。
「だから…Aがいなかったら…みんなに……メンバーとか……大切なarmyの皆さんにも、多分…会えなかったかもしれなくて…」
うとうとと、気持ちとは裏腹に瞼が重くなってきていて、いつもの倍の時間をかけて瞬きをする。
「それは絶対に…いやだから………だからこそ……………大事なんです……、A…が…」
倍がそのまた倍、そしてその倍…と徐々に目をつぶっている時間の方が長くなっていってそのまま、話している途中で俺は夢の中へと落ちていった。
☆
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 225人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
@risa(プロフ) - 無さん» ありがとうございます励みになります！ただいま加筆修正中につき、更新滞っていてすみませんが今後ともよろしくお願いいたします！ (2020年5月4日 14時) (
レス) id: 4cd43be614 (このIDを非表示/違反報告)
無 - このお話最高すぎます笑 (2020年5月4日 13時) (レス) id: 06b55d11a8 (このIDを非表示/違反報告)
@risa(プロフ) - riri_purukawaさん» わあありがとうございます、本当に嬉しいです！ (2019年12月26日 23時) (レス) id: 4cd43be614 (このIDを非表示/違反報告)
riri_purukawa(プロフ) - 最高です！ (2019年11月27日 22時) (レス) id: be778bbdda (このIDを非表示/違反報告)
@risa(プロフ) - 月のひかりさん» 亀更新ですみません(´∵｀)コメントとっても励みになりました！ありがとうございます！ (2019年10月23日 20時) (レス) id: 504ca2a52f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：@risa | 作成日時：2019年4月2日 0時
