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グクの顔もすっかり元通りにして、いよいよやっとこさわたしの髪をセットしようとメイクオンニが準備を始める。

ハナ「やっとAちゃんの髪がセットできますね、もうほんっと昔から手がかかる子達なんだから」
「メイクオンニもうずっと担当してるんですか?」
ハナ「私ですか?そうですよ〜、もう彼らがデビューする前から…あ、自己紹介が遅れてごめんなさい。わたしハナって言います」
「あ、すみませんわたしこそ…わたしAっていいます」
ハナ「ふふ、知ってますよ〜、これからどうぞよろしくお願いしますね」
「はい、こちらこそよろしくお願いします!」

女の子の髪をセットするなんて久しぶりで楽しみです、なんて言いながら準備を進めていくハナさんに、わたしの方が歳下なので敬語なんてやめてくださいと話せば、それもそっかとすんなり受け入れてもらえた。

ハナ「え、…わあ、Aちゃん髪すごく綺麗〜!なにもしなくてもいいくらいだよ、感動!」
「へへ、ありがとうございます、自慢の髪なんです」
TH「ず〜っと伸ばしっぱなしだね、俺もAの髪大好き」
「ありがとテヒョン、さすがに毛先は切ったりしてるけどね」
TH「練習生のころから言ってたもんね、髪だけが自慢って」
「今は歌とダンスも自信あるよ」
TH「おー、かっこいー!」

サラサラとわたしの髪を梳くテヒョンの指は昔のままで、懐かしさに胸が打たれて、ふとあの頃にかえる。
悔しくて泣いた記憶を、感情を、そのままにして覚えてはおけない。初心というものは、忘れたくて忘れるものではなくて、気をつけようと思っていてもなお、心のどこかに追いやられてしまっているもの。あの頃話せなかった韓国語も、今ではこんなに意思の疎通ができるようになって、『悔しかったと感じていた事実』は覚えておけたとしても、その感情をそっくりそのまま今のわたしが抱くことはできない。あの頃に比べて、わたしは随分幸せになってしまったから。
その過程には間違いなくテヒョンがいる。

ずっと髪をいじり続けるテヒョンに、邪魔しないでよと笑うハナさん。
わたしがテヒョンと全く関わらなかった空白の期間を、この人は共に過ごしたんだなと思うと、胸が少しだけ灼けたような気がした。
その感情の正体を、わたしは知らないけど。


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設定タグ:BTS , 防弾少年団 , 逆ハー   
作品ジャンル:恋愛
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@risa(プロフ) - 無さん» ありがとうございます励みになります!ただいま加筆修正中につき、更新滞っていてすみませんが今後ともよろしくお願いいたします! (2020年5月4日 14時) (レス) id: 4cd43be614 (このIDを非表示/違反報告)
- このお話最高すぎます笑 (2020年5月4日 13時) (レス) id: 06b55d11a8 (このIDを非表示/違反報告)
@risa(プロフ) - riri_purukawaさん» わあありがとうございます、本当に嬉しいです! (2019年12月26日 23時) (レス) id: 4cd43be614 (このIDを非表示/違反報告)
riri_purukawa(プロフ) - 最高です! (2019年11月27日 22時) (レス) id: be778bbdda (このIDを非表示/違反報告)
@risa(プロフ) - 月のひかりさん» 亀更新ですみません(´∵`)コメントとっても励みになりました!ありがとうございます! (2019年10月23日 20時) (レス) id: 504ca2a52f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:@risa | 作成日時:2019年4月2日 0時

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