惑わせる彼Ⅴ【紫】 (ページ50)

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浮かれスギページ50

『はーー、面白すぎ。渡辺君てば(笑)』

渡辺「いやいや、だって俺もどこがイイかなんてわかんねーもん！！」

『それにしても、あの幼馴染の涼太くんは・・・ロマンチックだね』

渡辺「な。あんなスポットに連れてく奴なんていんのか？」

『連れてく奴って？』

渡辺「だから、彼女とかってこと。」

彼女。

そっか、まぁふつうはカップルで行く定番だよな、プラネタリウムって

あんなオシャレなところにデートで行ける幼馴染の彼はきっと上級者なんだろうね

『かっこいいじゃん。そういうの』

渡辺「やっぱあぁいうデートが理想？」

『え、私？うーーーん・・・そうだなぁ』

電車の改札を通りながら、自分の理想のデート像を頭に思い浮かべてみるけど
何がイイかなんて、正直わかんないよ

『友達から聞いたのは、鎌倉とかプチデートとかいいなって。』

渡辺「案外、王道が好きなんだな」

『まぁ、そんなデートの経験ないしわかんないよ(笑)渡辺君は？』

渡辺「俺？あんま遠くに行きたくない、ラフなカッコで居たいし。」

『あぁ、ぽいわー。想像つく』

渡辺「んだよ、今日は割としっかりしてんだろ？」

『まぁ、確かに今日はカッコいい。』

家に迎えに来てから思っていたけど、
オープンキャンパスや文化祭の時もそう

同い年とは思えないから、遠くから見ると知らない人みたい

『でも寝ぐせのままバイトに来てたり、ロッカーにバイトの制服溜めてるの知ってるからなー』

渡辺「それは言うなよ(笑)」

『たまに見るのはいいけど、私はいつもの姿の方が好きかな(笑)』

渡辺「・・・そ。」

『なに、しょっぴー照れてんの？』

耳を真っ赤にしてこぼれんばかりににやけてる渡辺君の顔を覗き込む

渡辺「うっせ！！！」