惑わせる彼Ⅴ【紫】 (ページ46)

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ロマンチックしスギページ46

想像以上にオシャレで、でも賑わっているお店に二人で来たものの
ハンバーグを前にするとやっぱりはしゃぐ。

『・・・みて、渡辺君、肉汁が、肉汁が！』

渡辺「みてるみてる(笑)まじうるせーのな！！」

『あぁ～、お、おいしい・・・。』

渡辺「うっわ！！！！こっちのも美味すぎ。」

『渡辺くんだってうるさい(笑)』

目が飛び出るくらいにオーバーなリアクションをする渡辺君。
いや、私は初めて来たけど、渡辺君は過去にも来たんだよね？

渡辺「あー、よかった。Aがおしゃれな店じゃなきゃ嫌！みたいな奴じゃなくて」

『いやいや、私もそんなオシャレなところばっかだと気を張っちゃうもん。』

渡辺「まぁ、それがAらしいかもなー。」

『なんかそれ若干貶してない？私の事』

渡辺「じゃあ食べたし、そろそろ店でよーぜ」

『いや、渡辺君さ、話の逸らし方下手過ぎない？』

渋々席を立ってお会計に回ろうとすると、慣れた手つきでおごろうとする渡辺君

『いやいや、さすがにここのご飯は割り勘にしようよ』

渡辺「は？」

『だって、さっきも映画館のチケット払ってもらったしさぁ』

渡辺「えー・・・。」

『気に入ったし、また来ようよ？どう？』

渡辺「じゃあ、そうすっか。」

少し割り勘にごねてたけど、納得してにっこりした渡辺君
こんなにおいしいお店があるなんて、
やっぱ電車で少しかかる所だからちょっとだけ開拓した気持ち。

『ごちそうさまでしたぁー。』

渡辺「あ、この後急いで帰る？」

『いや？だって今まだ19時くらいでしょ。とくにはないよ』

渡辺「じゃあ、このあとちょっと付き合ってよ。」