惑わせる彼Ⅴ【紫】 (ページ38)

今日:19 hit、昨日:13 hit、合計:94,053 hit

悲観スギページ38

渡辺「おー、A帰んぞ」

『う、うん。』

急な休暇宣言を受け、少し頭が追い付いていない中
バイトが終わる

いつも通り渡辺くんが送っていってくれるみたい

渡辺「なぁ、そんな暗い顔すんなって。落ち込むなよ」

『あ、バレた？結構ショックだよそりゃあさ・・・。』

渡辺「別にお前が色目使ったわけでも、たぶらかしてもないんだしさぁ？」

『勘違いでっていうのはわかるんだけどさ、恨まれるのはちょっとね。』

渡辺「ふーん。まぁ、休暇楽しもうぜ」

石を小さく蹴りながら、興味のないような顔で歩いてる渡辺君
彼なりの気遣いなのかな

・・・・いや、それはないか。

『渡辺君の学校、卒業式っていつ？』

渡辺「来月の8日。Aは？」

『私は3日。案外バラバラなんだね』

渡辺「卒業式の練習ってマジでだるいわ。眠いしさー」

『歌うんでしょ？私のとこは旅立ちの日にだけど何歌うの？』

渡辺「つばさをください。あれ意外と難しいんだよなぁ」

卒業式の話をしながら夜道を二人で歩いていると、
前に深澤先輩と待ち合わせしたコンビニが目に入った。

お店の中から男性が出てきたけど、なんだかこっちを見てるみたい

渡辺「・・・げ、涼太。」

『知り合いの人？』

宮舘「翔太、こんな時間に何してるの？家反対方面なのに」

渡辺「バイト帰り。そっちこそなにしてんの。」

宮舘「コンビニにお使い。えっと、こんばんは？」

『あ、こんばんは。』

寒そうにダウンを着ている彼は、渡辺君と知り合いとは思えないほどに
なんだか落ち着きがあってカッコいい。

宮舘「あぁ、まさかバイト先の子？この間の」

『そうです、バイトの同期で』

渡辺「あれ、俺話したっけ？」

宮舘「まぁほら、いつもの感じで聞こえただけ。」